319: ◆yOpAIxq5hk[saga]
2021/09/26(日) 23:36:35.82 ID:CwWc8uazO
【>>318
3. 歌を教えてもらう】
ペンを握る手を止め、彼女は告白を始める。
「私は幼少の頃から芸能活動一本ってかんじでさ。ろくに学校には通わなかったし、まともに勉強もしてこなかった。その結果、赤点候補者に名を連ねてるんだからダサいよね。やるなら勉強もある程度できた上で仕事をしなってね」
自虐気味に笑う雨宮さんを、わたしは笑わなかった。
正面に座り、純粋な気持ちを伝える。
「凄いと思うよ、芸能活動をしながら勉強って。確かにこの前の小テストは赤点近かったけど、この3日間雨宮さんの学力を見てきて基礎はしっかりと理解できてるなって思った。雨宮さんは十分、仕事と学業を両立できてるんじゃないかな」
そう言うと、彼女は少しの間だけ硬直した後、大袈裟に手のひらで顔を煽ぐようにする。
「……や、やめてよね。なんか泣く流れみたいじゃん。でも、ありがとう。そう言って貰えると嬉しい」
「うん。で、」
「で?」
「ここ1週間半の間、生徒会と勉強会の両立をしているわたしからのお願いなんだけど」
「おおっと? そういう流れ? 断れない流れじゃん。とりあえず聞いてあげる。なんでしょうか?」
608Res/522.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20