781: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:57:35.10 ID:2z6G7I5Go
ピピピピッ、そう思った垣根の携帯端末が音を鳴る。
その番号は心理定規(メジャーハート)こと獄彩海美が使っている端末の番号だった。
垣根は首をかしげる。今はスクール内の端末で常に会議モードにしており、誰とでもいつでも会話できるようになっている。
782: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:58:46.69 ID:2z6G7I5Go
垣根「ふっざけんじゃねえぞあの女ァ!! どうせ死ぬならちゃんと全部セリフ言い切ってから死ねよコラッ!!」
783: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:59:39.82 ID:2z6G7I5Go
少年院地下三階。地下四階へと繋がる階段の前の広場。獄彩海美は壁にもたれ掛かるように床へ座り込んでいた。
彼女着ている綺麗なピンク色のドレスは、見る影もなくボロボロにされていた。
肩紐が片方切れており、首に付けていたアクセサリーの装飾品の一部が、千切れたのか穴あき状態になっている。
784: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:01:22.36 ID:PU+Tw3fzo
しかし、その槍は到達する前に吹き飛ばされた。黒夜の小さな体もろとも。
785: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:02:32.35 ID:PU+Tw3fzo
海原光貴は少年院を出て、街の中の歩道を歩いていた。
息を荒げながら、ふらふらとした足取りで、今にでも倒れそうな状態だ。
右腕にはノコギリで削り取ったような切り傷があり、着用している白い制服を赤く濡らしていた。
786: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:03:12.68 ID:PU+Tw3fzo
第一〇学区の少年院の近くにある路地裏。
番外個体は一人の男の首を掴んで体ごと持ち上げていた。
その男は砂皿緻密。暗部組織『スクール』に所属している雇われのスナイパーだ。
787: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:04:55.47 ID:PU+Tw3fzo
番外個体「――冗談っ、でしょッ!?」
788: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:05:41.30 ID:PU+Tw3fzo
「あっ、不用意に仕事のことを言っちゃいけないんでしたよね」とステファニーはおとぼけた感じで誤魔化す。
砂皿へ目を向けて頭を掻きながら誤魔化し笑いをしているところからして、さっきのセリフは番外個体へ言ったものではなかったのだろう。
なにはともあれ、番外個体がやることは決まっていた。
789: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:08:02.63 ID:PU+Tw3fzo
しばらくしてから、黒煙が晴れた。
路地裏の通路は壁と地面の三方が焼け焦げていた。建物で囲まれているような閉鎖された空間のため焼けた臭いが充満している。
そんな中、一人の少女が現れた。
790: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:08:45.05 ID:PU+Tw3fzo
『メンバー』との戦いを終えた木原数多たちは後始末をしていた。
壁や天井がボロボロに崩れて廃墟とかした倉庫の中には、コンテナだったと思われる鉄屑やスクラップと化した高所作業車が棄てられたように転がっていた。
数多の周りには大勢の人影が集まっている。軍用のヘルメットに暗視ゴーグル、防弾チョッキといった装備を身に着けた風貌をしている者たちだ。
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