33: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:28:02.44 ID:wEzeH4cQ0
今日の定期公演では、開演前に握手会が設けられる事になっている。
765プロライブ劇場では、このような構成のイベントが、結構頻繁に行われる。
基本的には、当日の公演の出演者と同じメンバーが参加する。
僕はスタッフに携帯のメール画面を見せて、劇場の中に入った。
34: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:29:02.58 ID:wEzeH4cQ0
「──い、いつも応援しています!」
「ウフフ、ありがとう。お姉さんも頑張るわね♪」
35: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:29:57.08 ID:wEzeH4cQ0
「私もね、みんなが振ってくれるサイリウムの光に、いつだって勇気をもらってるの。……だから、私からも言わせてほしい」
「いつも、ありがとう」
36: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:30:42.43 ID:wEzeH4cQ0
僕の中で色々な記憶、思いが駆け巡った。
僕は公演へ来るたびに、彼女の色のサイリウムを掲げてた。
──『どうか、届きますように』って。
抱えた色々な思いが僕の心で溢れて、胸がいっぱいになった。
37: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:31:42.19 ID:wEzeH4cQ0
「で、でも──」
僕は沈黙を破るように、慌てて切り出す。もう、今更隠すことなんてないだろう。
「僕は貴方に、劇場のみんなに必ず会いに来ます。
38: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:32:35.61 ID:wEzeH4cQ0
「伝えてくれて、ありがとう。
そういう気持ちを誰かに話すのって、すっごく勇気がいると思う。
……だから、私は嬉しい」
39: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:33:03.39 ID:wEzeH4cQ0
◇
僕は座席に着いて、開演の時間を待っていた。
時間まで、あと二、三分くらい。
40: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:33:31.25 ID:wEzeH4cQ0
開幕のベルが鳴る。
その音に、思わず緊張が走った。
きっとそれはみんな同じで、辺りは途端に張りつめた。
隣の人の鼓動さえ、聞こえてきそうだった。
41: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2021/03/19(金) 12:35:56.42 ID:wEzeH4cQ0
その刹那、僕は桃色のサイリウムを掲げていた。そして、その先には、白い光に包まれた彼女がいた。
『とびらあけて さあ行こうよ──』
『──私たちの Brand New Theater Live!』
42: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2021/03/19(金) 12:36:34.13 ID:wEzeH4cQ0
◆
俺は、舞台袖の片隅から、ステージに立つ彼女を見つめていた。
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