37: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:05:56.54 ID:ZnT9OyOd0
デリカシーのないPちゃんのことやから、と覚悟していたら、やっぱりPちゃんは登校するアタシらを待ちかまえていた。
さくらが嬉しそうにいずみの肘をポンポンと叩くと、いずみも『わかってる』とばかりにさくらの靴を足でつついていた。
P「見てくれたかはわからないけど」
38: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:06:59.59 ID:ZnT9OyOd0
亜子「いずみとさくらを、アイドルとしてアタシが売り出す。そんで……」
P「え!?」
アタシはこの時、初めて驚くPちゃんを見た……気がする。
39: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:07:40.85 ID:ZnT9OyOd0
P「土屋さんもアイドルにならなきゃダメだ! 土屋さんみたいな魅力的な女の子がアイドルにならないなんてダメだ!! そうだアイドル……土屋さんこそアイドルになるべき人だったんだ!!!」
亜子「はあ?」
P「もちろん大石さんも村松さんもいいけど、土屋さんもいなくちゃダメだ! 君も一緒にアイドルになるんだ!! 君がアイドルにならないなんて、人類にとって大きな損失だよ!!!」
40: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:08:28.27 ID:ZnT9OyOd0
その日その後、アタシは呆然として何があったのかハッキリ覚えていない。
今までアタシがどんな無理を言っても唯々諾々と「なるほど」や「わかった」と言っていたPちゃんが、初めてアタシに「ダメだ!」と言った。
その事がショックだったのか、それともアタシこそアイドルになるべきだと力説された事に驚いたのか、それともあのPちゃんがアタシらをトップアイドルにすると宣言した事に驚いたのか。
ともかくアタシは丸一日なにも考えられへんかった。
41: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:10:12.04 ID:ZnT9OyOd0
P「まず東京の事務所に売り込みをかける」
泉「私たちだけで活動するんじゃないんだ、プロデューサー」
P「プロデューサー付きの新人アイドルとして、売り込んでみる。やはり大手事務所に所属するメリットは無視できない」
42: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:11:10.91 ID:ZnT9OyOd0
いずみもさくらも、Pちゃんに対して『プロデューサー』と呼びかけるようになっていた。
昨日の今日でのこの変化に、アタシは少しびっくりした。
P「土屋さんは? なにか質問はある?」
43: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:12:10.34 ID:ZnT9OyOd0
泉「昨日、嬉しかったんだよ。彼が亜子に強く言ってくれて」
亜子「なにを……? て、もしかしてアタシもアイドルをせなアカン言うたこと?」
さくら「わたしも、絶対に3人でアイドルをやる方がいいと思ってたんだぁ。でも確かにプロデューサーは必要だと思うし、亜子ちゃんがやるって言うから……」
44: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:13:03.64 ID:ZnT9OyOd0
泉「あそこまで強く、言い切ってくれると思わなかった。私は彼を認めるよ。それにほら、今までと同じ調子で私たちをトップアイドルにしてくれそうじゃない」
さくら「うんうん。きっといつものように、なんでもない顔をしてトップアイドルにしてくれるんだよ、きっと」
Pちゃんに対する2人の評価は当初から高かったけど、昨日の一件により2人は彼を信頼をするようになっていた。
45: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:14:04.47 ID:ZnT9OyOd0
亜子「ま、さすがにトップアイドルいうんは簡単やないかも知れへんけどな」
泉「大丈夫じゃないかな。亜子がいれば彼は」
さくら「これからは、ずっと3人いっしょじゃなくてぇ、ずっと4人いっしょで、だね」
46: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 11:16:01.37 ID:ZnT9OyOd0
泉「4人がずっと一緒でいる場合の幸福の度合いは、3人がずっと一緒でいる場合の幸福の度合いと比してより大きい」
さくら「なにそれイズミン」
泉「私たちのこれからの予想。後の人はこれを評して、大石予想と呼ぶことでしょう。もちろんそれを証明するのも私たちです!」
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