キョン「一緒に風呂でも入るか?」長門「……入る」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:44:21.65 ID:wccLzonZO
「あなたに対する頼みはシンプル」
長門はゆっくりと目を閉じて、適切な言葉を選ぶように慎重な口調でこう続けた。
「あなたに私の頭部を洗って欲しい」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:47:20.76 ID:wccLzonZO
「それで、俺に洗って欲しいと?」
「そう」
ようやく、頼みとやらの内容を把握した。
先程自分で口にした通り、力になりたい。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:49:37.63 ID:wccLzonZO
「すごく良い香りがする」
そうだろうか。自分ではよくわからん。
そう言えば、妹がやたら拘っていたな。
それを勝手に使っているからかも知れん。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:51:31.50 ID:wccLzonZO
「何がいけない?」
「何もかもだ」
考えるまでもない。それは出来ない相談だ。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:54:11.25 ID:wccLzonZO
「……………………」
「……………………」
それから俺たちはしばらく無言だった。
長門はもともとあまり口数が多いほうではないので沈黙が苦にならないのかも知れないが、俺は先程怒鳴ってしまったこともあり、少々気まずかった。空気を変えたかった。
8:名無しNIPPER[sage]
2020/09/24(木) 22:54:14.82 ID:EX92W/9L0
フ
9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:56:39.59 ID:wccLzonZO
「じゃあ、洗うぞ」
「わかった」
白スクはともかく、水着は正直ありがたい。
これならばある程度の健全さは確保され、そして俺もズボンをまくってTシャツで長門の髪を洗う大義名分を得た。脱ぐ必要はない。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 22:59:29.30 ID:wccLzonZO
「流すぞ」
「痛く……しないで」
いよいよその時は来た。いや、ようやくか。
まるでホイップクリームのようなきめ細かい泡に塗れて良い感じに仕上がった長門の頭にシャワーを向けると、完全に脳味噌が沸いているとしか思えない台詞を吐かれて白けた。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 23:01:58.71 ID:wccLzonZO
「あなたの髪を洗う様子を観察したい」
こちらの憤りを知ってか知らずか、あくまでも自分本位な姿勢を貫き通す長門。
こいつがこんなにわがままな奴とはな。
そもそも最初から俺の洗い方を参考にすれば良かっただけの話じゃないか。徒労である。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/24(木) 23:04:10.18 ID:wccLzonZO
「あなたの未来にはふたつの選択肢がある」
「なんだそれは」
目を閉じたまま、長門の言葉に耳を傾ける。
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