高垣楓「あなたがいない」
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117: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:00:38.63 ID:brMXuKjJ0

 ライブ当日。開演一時間前。
 私はいつになく落ち着かなかった。

「おや楓さん。緊張してます?」
以下略 AAS



118: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:01:11.10 ID:brMXuKjJ0

 なにに対して不安になっているのか、私自身認められていない。漠然とした、ちりちりという焦燥感。それでも。
 その時は、やってくる。
 ふとプロデューサーの言葉を思い出す。人間くさい、私。彼らはそういう私が好きなのだ、と。そして、気付く。
 ああ、Pさんもそう言っていた。完璧じゃない、人間くさい私が好きなのだ、って。
以下略 AAS



119: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:01:43.29 ID:brMXuKjJ0

 舞台袖、私は佇む。客席の熱気と緊張が、肌に伝わってくる。ベルが鳴った。

「本日は、高垣楓アコースティックライブにお越しくださいまして、誠にありがとうございます……」

以下略 AAS



120: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:02:11.76 ID:brMXuKjJ0

「本当に今日はありがとうございます……アンコールまで、こうして待っていただいて、嬉しいです」

 わああ、と。沸く客席。そして私に求められている曲、それを私は知っていた。

以下略 AAS



121: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:02:45.05 ID:brMXuKjJ0

 ――渇いた風が 心通り抜ける
 ――溢れる想い 連れ去ってほしい

 シャンソンのように。ピアノの自由律に私は、語り掛けるように歌う。顔を上げ客席を見れば、そこは緑の光の洪水。
以下略 AAS



122: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:03:12.28 ID:brMXuKjJ0

 ――満ちて欠ける 想いは今
 ――苦しくて溢れ出すの 立ち尽くす風の中で

 助けて。
以下略 AAS



123: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:03:39.97 ID:brMXuKjJ0


「きゃああああああああああ!」


以下略 AAS



124: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:04:07.73 ID:brMXuKjJ0

 客席から響く叫び。そして、嘆き。
 浮遊感。
 光を、掴み損ねて。
 私は。
以下略 AAS



125: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:04:35.02 ID:brMXuKjJ0

※ 今日はここまで ※

ではまた ノシ


126:名無しNIPPER[sage]
2020/09/22(火) 19:39:46.96 ID:wveq3qYUO
おつ


127: ◆eBIiXi2191ZO
2020/09/22(火) 21:28:15.85 ID:CC20O+KU0

投下します

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