121: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 23:02:45.05 ID:brMXuKjJ0
――渇いた風が 心通り抜ける
――溢れる想い 連れ去ってほしい
シャンソンのように。ピアノの自由律に私は、語り掛けるように歌う。顔を上げ客席を見れば、そこは緑の光の洪水。
そう。これはPさんと共に見てきた、光景。
この歌は、Pさんと共に作り上げてきた歌。私に残された、かけがえのない宝物。
だからこそ、最後に持ってきた。忘れないという、想いを胸に。
――ココロ風に 閉ざされてく
――数えきれない涙と 言えない言葉抱きしめ
何度も、何回も、歌ってきた曲。私自身ともいえる曲。歌詞を噛みしめるたび、彼のことを思う。
そして歌詞が、今の私に語り掛ける。
あなたは、泣かないの?
あなたは、想わないの?
――震えてるの 心も体も
――すべて壊れてしまう前に 愛がほしいの
そんなわけがない。いつだって私は、彼を想っている。今だってほら。
苦しい。
苦しいの。
何度も歌ってきた曲が、私を狂わせる。なぜPさんが、ここに。
いないの、だろう。
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