【艦これ】漣と故郷に行くだけの話
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6: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:39:15.04 ID:NLnJB+H60

「……どうすんだ」

「降ります。歩きましょう」

以下略 AAS



7: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:39:44.91 ID:NLnJB+H60

「土砂崩れでも、あったのかね」

 自ら信じてもいないことを口走ってみる。もしもフェンスがあそこまで経年劣化しておらず、あるいはパイロンとバーだけならば、そう思えたかもしれないが。

以下略 AAS



8: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:40:11.45 ID:NLnJB+H60

 ひとまず遭難という最大の懸念は払拭されたものの、だからどうしたという程度の問題でしかないのもまた事実。漣は俺を自らの生まれ故郷へと誘った。もしやこのまま歩いていくと言うのか?
 わからない。漣の行動がというわけではない。わからないのは彼女の確固たる意志についてだ。

 引き返せばいい。別の道から行けばいい。なんなら日を改めたってかまわない。そう提案しても聴きやしないだろうが、それだけの何かがこの行程には、きっと、ある。
以下略 AAS



9: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:41:59.15 ID:NLnJB+H60

「ご主人様」

 地面の硬さを確認しつつ、漣は張り出した木の枝を掴んだ。それを支えにしながら、傾斜を登って行く。

以下略 AAS



10: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:42:25.04 ID:NLnJB+H60

 海があって、なるほど、漣が車中でした説明のように、山はそのまま崖となって、真っ直ぐに落ち込んでいる。
 俯瞰すればアルファベットの「C」か「U」のようなかたちの入江だった。それがいくつも連なっていて、それぞれが海に落ち込む崖で分断されているように見えた。巨人が陸にかぶりついたあとの歯型――そんな表現は婉曲的にすぎるかもしれないけれど。

 そして漣の故郷がそこにある。
以下略 AAS



11: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:42:57.21 ID:NLnJB+H60
――――――――――――――
リハビリ

明日で終わらせます。


12:名無しNIPPER[sage]
2020/08/13(木) 02:45:04.36 ID:5qYLZP/Co
おつ
きたい


13:名無しNIPPER[sage]
2020/08/13(木) 12:08:09.03 ID:SPq3+wS4O
おつ。
山城のも待ってるよ〜


14: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/14(金) 08:31:33.66 ID:QdYqO6ws0

 俺はその町の名前を知っていた。日本で最初に深海棲艦からの直接被害を受けたその町は、摩訶不思議な存在の脅威を浮き上がらせるには十分だった。
 当時、その未確認生命体は名前も付けられておらず、漁船や貨物船の映像に僅かに映っている姿が密やかに語られるだけ。当然艦娘なんてものはこの世におらず、俺も一介の防衛大生で。

 一望できるその地は、十年ほどの時を経て、瓦礫は撤去され、僅かに嘗ての区画のあとが残る程度にしか面影はない。アスファルトの舗装も剥がれかけ、海風の強い地にだってしぶとく雑草は根を生やす。
以下略 AAS



15: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/14(金) 08:32:01.40 ID:QdYqO6ws0

「……」

 漣は口を開かなかった。しかしその表情は冷静そのもので、廃れた故郷への悲しみや深海棲艦への怒りがあるようにも見えない。
 ただ、俺のシャツの裾を掴んできたので、知らないふりをする。
以下略 AAS



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