8: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:40:11.45 ID:NLnJB+H60
ひとまず遭難という最大の懸念は払拭されたものの、だからどうしたという程度の問題でしかないのもまた事実。漣は俺を自らの生まれ故郷へと誘った。もしやこのまま歩いていくと言うのか?
わからない。漣の行動がというわけではない。わからないのは彼女の確固たる意志についてだ。
引き返せばいい。別の道から行けばいい。なんなら日を改めたってかまわない。そう提案しても聴きやしないだろうが、それだけの何かがこの行程には、きっと、ある。
ならば、乗るしかない。
俺だってもう彼女の故郷を見ずして泊地に戻るつもりはなくなっていた。
それは決して意地ではなかった。ましてや一蓮托生という想いによるものでは断固としてなかった。そんな綺麗なものではない。美しいものではない。
生易しいものではない!
25Res/15.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20