7: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/12(水) 23:39:44.91 ID:NLnJB+H60
「土砂崩れでも、あったのかね」
自ら信じてもいないことを口走ってみる。もしもフェンスがあそこまで経年劣化しておらず、あるいはパイロンとバーだけならば、そう思えたかもしれないが。
「……」
漣からの返事はなかった。木の幹に手をやりながら、足の裏で傾斜を確認し、一歩一歩地面を踏みしめ歩いている。
さてどうしたものか。ついていくのは当然として。
「……」
「……目的地は、わかるのか」
「わかります」
そう言いながら先行する漣の足取りは、面持ちは、確かに真っ直ぐ前を目指しているように見えた。迷いがない。ゆっくりとした動きにも感じられるが、それはあくまでしっかとした足取りのせいなのだ。
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