【艦これ】漣と故郷に行くだけの話
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14: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/14(金) 08:31:33.66 ID:QdYqO6ws0

 俺はその町の名前を知っていた。日本で最初に深海棲艦からの直接被害を受けたその町は、摩訶不思議な存在の脅威を浮き上がらせるには十分だった。
 当時、その未確認生命体は名前も付けられておらず、漁船や貨物船の映像に僅かに映っている姿が密やかに語られるだけ。当然艦娘なんてものはこの世におらず、俺も一介の防衛大生で。

 一望できるその地は、十年ほどの時を経て、瓦礫は撤去され、僅かに嘗ての区画のあとが残る程度にしか面影はない。アスファルトの舗装も剥がれかけ、海風の強い地にだってしぶとく雑草は根を生やす。
 漣がこの町の出身だということも俺は知っていた。艦娘という存在が生まれたとき、それはまだ一般には公にされていなかったから――当然だ。民衆のコンセンサスなど得られるはずがなかった――、候補者は被験の上で適応した人間か、ひどいひどいワケありかの二択である。




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