100: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 16:38:13.49 ID:cAlXBzjlO
モリブスに近づくにつれ、香辛料の匂いが濃くなった。嫌な感じじゃないけど、何とも形容しようのない匂いだ。
101: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 16:39:15.60 ID:cAlXBzjlO
原因は分かっていた。私が、彼の仇の一人であるトンプソン宰相に育てられたという事実だ。
102: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 16:40:33.82 ID:cAlXBzjlO
#
「降りろ」
今日、初めて私に魔王が投げかけた言葉は、冷たい命令だった。
103: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 16:55:20.49 ID:cAlXBzjlO
「えっ!!?」
「まあ、知っているのは一部の教授と学園長だけだがな。魔族が創立者であることも含め、秘中の秘だ。
特に20年前からは俺について触れること自体ご法度になっちまった。こいつの親父のせいでな」
104: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:10:19.65 ID:cAlXBzjlO
「要は冤罪の可能性がある、ってことだ。まあ、ケインがサンタヴィラ王国を壊滅させたという証人は『三聖女』がいるわけだがな。だが、絶対にあれには裏がある。
それが分かれば、魔族復権につながる可能性すらある。そうだろ、エリック」
魔王は「……ふん」と短く言った。
105: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:12:17.80 ID:cAlXBzjlO
魔王が険しい顔になってジャックさんに詰め寄った。
「ちょっと待て。お前も知ってるだろうが、こいつは狙われてるんだぞ??」
「そうだ。ただ、ジョイスの手によるものじゃない。まあ政敵を殺しまくっているであろうエストラーダは、真相を知られかねないから消したがっているだろうがな。
106: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:13:37.03 ID:cAlXBzjlO
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魔王はジャックさんの家の前で待っていた。そして歩き出すなり小さく呟く。
「……すまなかったな」
107: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/16(日) 17:14:30.28 ID:cAlXBzjlO
第5話はここまで。
108:名無しNIPPER[sage]
2020/08/16(日) 17:44:48.66 ID:k68JHorDO
乙乙
109: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/17(月) 01:05:18.63 ID:Ws0S9QYyO
設定紹介
モリブス公国
北ガリア大陸南東部に位置する合議制商業国家。南ガリア大陸との交易でここ10年で急速に栄えた。遥か東のアトランティア大陸とも交流がある。
110: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/18(火) 21:13:08.11 ID:8Z5elHuBO
第6話
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