78:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:59:12.29 ID:W5lmC8VA0
「ぷふっ。ククク……!」
藍子ちゃんの膝の上で、私の頭がヒクヒクと揺れる。
それに呼応するように、さっきまで大泣きしていた藍子ちゃんまでもが、今度は嬉し泣きに変わっていた。
79:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:03:18.65 ID:W5lmC8VA0
一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍が、かの星であった。
戦後、旅客機の登場により、誰もがみな空を旅することができる時代が到来して、幾年月が経ってからのこと。
人の夢はついに空を越え、月にだって届いたのだ。
80:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:06:44.73 ID:W5lmC8VA0
魔法使いからの提案で、私と千夜ちゃんはユニットを組む事になった。
でも、本当はたぶん、千夜ちゃんの進言もあったんじゃないかって気はしている。
もちろん、私の方こそ大喜び。
おかげで毎日が、とっても楽しい。けれど――。
81:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:09:03.51 ID:W5lmC8VA0
『ゴメーン☆ フレちゃんどうしても忘れんぼう屋さんでー♪』
『本当の忘れんぼう屋さんって、毎度毎度そう律儀に一週遅れの質問回答しないと思うけどね。
ま、もうすっかり恒例行事になってるおかげで、地味にこの番組の注目度も高まってるみたいやけど』
『かたじけない』
『微妙に間違ってないの腹立つ〜』
82:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:12:43.86 ID:W5lmC8VA0
『しかしまぁ、この「夢色ジラフ」さんの質問も大概っちゃ大概だけどねー。
あれ? ジラフって、キリンだっけ? 日本語が得意なフレデリカさん』
『ンー、確かそうカモ?』
『先週までのトークの内容にしっかり触れてる当り、この人ひょっとしてヘビーリスナーさんかも知んないよ。
いつもウチのフレがお世話になってます〜』
83:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:17:29.71 ID:W5lmC8VA0
『夢だっておんなじだよ、ってアタシは思います☆』
『……あー、なるほど。不覚にもちょっと納得させられたわ、あたし』
『でしょ?』
『レモンだけだとしんどいけど、あった方が栄養のバランス的にも良いみたいなことでしょ?』
84:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:20:16.96 ID:W5lmC8VA0
「千夜ちゃん千夜ちゃん、朝だよー。起きて」
あくる日の朝。
私は千夜ちゃんの代わりに、カーテンをシャーッてした。
朝の陽光に照らされた、いつもと変わらない街並みが目に眩しい。
85:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:23:23.90 ID:W5lmC8VA0
Mr.Childrenの『進化論』という曲を基に書きました。
途中、同曲の歌詞や、2015年のツアーで流れたナレーションを所々引用しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
86:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 20:32:54.96 ID:W5lmC8VA0
>>47
誤字、失礼しました。
誤)「……焦っている、か……そうかもね}
正)「……焦っている、か……そうかもね」
87:名無しNIPPER[sage]
2020/06/26(金) 20:37:50.28 ID:XKJWoVZa0
乙でした!
いつもながら長くても、読みやすくて引き込まれる文章でした
88:名無しNIPPER[sage]
2020/06/27(土) 23:36:31.12 ID:3w3b61zT0
一気に読んでしまった
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