93: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:34:02.41 ID:ECNFnKQ+0
いよいよおかしい。
昨日の事を思い出してみようにも、全く思い出せない。
ご飯の記憶も、授業の記憶も、観たテレビも。
94: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:34:43.17 ID:ECNFnKQ+0
ガラッと教室の扉が開く音がした。
もう授業は始まっているのに、だ。
男「……!?」
95: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:36:05.12 ID:ECNFnKQ+0
いや、明らかに無視されている。
でも俺にはハッキリと見えている。
ただ誰かはわからない。
96: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:36:31.47 ID:ECNFnKQ+0
一限の授業が終わった。
俺は真っ先にさきほどの女の子の元に向かった。
男「……」
97: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:38:05.90 ID:ECNFnKQ+0
無視されるとばつが悪い。
男「えっと……」
ただ、この異常な空気の答えを知りたかった。
98: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:38:46.48 ID:ECNFnKQ+0
確信などあろうはずもない。
女「……」
彼女が微かに首を動かしたようにみえた。
99: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:41:43.85 ID:ECNFnKQ+0
男「え?」
女「もってて」
と、言うと、彼女はまた首の向きを戻し、真っ直ぐ前を見つめた。
100: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:42:24.12 ID:ECNFnKQ+0
教科書が無くても案外となんとかなるもので、今日の授業は全て終了した。
彼女はボーっとしていた。昼食時間もずっと何も変わらず視線も変わらなかった。
そしてそれを教師は咎めない、誰も、だ。
101: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:43:33.56 ID:ECNFnKQ+0
うちの校風は他の学校にくらべて自由ではあるが、風紀委員が存在する。
以前は緩い取り締まりではあったが、姉が非常に真面目なために最近ではしっかりとしている。
この週一の定例会も、姉の提言によるものだ。
102: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:46:33.76 ID:ECNFnKQ+0
男「えっ……」
姉「意識が高いのは良いことです。明日、またちゃんと来てくださいね」
男「は、はあ……」
103: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:47:09.98 ID:ECNFnKQ+0
風紀委員の雑用を終えて、改めて自分の教室に出向く。
女「……」
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