20:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:26:21.27 ID:lh55PHNT0
まつり「なるほど……とっても不思議で幻想的で、心が揺さぶられるようなお話なのです」
エミリー「はい。私もすぐに物語の世界へ引き込まれました。けれど……なんだか悲しいお話ですね」
まつり「ほ?」
21:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:26:51.12 ID:lh55PHNT0
――その後
P「まつり、ユニット衣装の件なんだけど――あら、休憩してるのかと思ったらファンレターの返事を書いてたのね」
22:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:27:30.54 ID:lh55PHNT0
P「この間届いた手紙には、それらのライブの感想に加えて、まつりの新しいユニットが結成される日を楽しみにしてるって書いてあったね」
まつり「その期待に応えられる素晴らしいユニットになること間違いなしなのです。お返事にもそのように書いたのですよ」
P「おっ、随分な自信だね。まつりとしては、あの世界観といいお姫様の本領発揮の絶好の機会だもんね」
23:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:27:56.39 ID:lh55PHNT0
――数日後、劇場エントランス
P「お待たせしました。これより開場です! 当日券をお買い求めの方は左側の列に、グッズをご購入される方は右側の列にお並びくださーい!」
24:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:28:27.66 ID:lh55PHNT0
ララちゃんのお父さんからはまつり本人に伝えないで欲しいと言われたが、そうはいかなかった。
定期的に届いていたファンレターが途絶えれば、まつりならすぐに感づくだろう。
私はまつりに、すべてを伝えた。
25:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:29:10.04 ID:lh55PHNT0
まつり「そうだったのですね……」
P「うん。この間もらった手紙からは、とてもそんな風には思えなかったよね」
まつり「ええ。まつりもララちゃんのお手紙から、たくさん元気をもらったのです」
26:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:29:51.86 ID:lh55PHNT0
まつり「お仕事の後、衛星通信でララちゃんの病室に映像を送れば……」
P「まつりとエミリーのスケジュールはしばらくユニットPRで埋まっている。それに中学生のエミリーたちを夜8時以降に働かせられない」
まつり「では録画した映像をララちゃんに――」
27:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:30:34.73 ID:lh55PHNT0
まつり「まつりもアイドルです。それは心得ているつもりなのです。だからこそみんながはっぴー!になれる方法を探したいのです。……本当に、一つもないのです?」
P「ないこともないよ。昨日から動画サイト上で告知用にワンコーラスだけ公開している『だってあなたはプリンセス』のMVを、フル尺で公開してもらうんだ」
まつり「!」
28:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:31:08.61 ID:lh55PHNT0
P(しかし……日頃お世話になってるレコード会社のお偉いさんに私の独断でいきなり無茶を言って聞き入れてもらえるのかな。決裂すれば今後のみんなの活動にも影響が出かねない)
P(いや……どのみち方々に頭を下げる予定なんだ。使える手段はすべて使おう。……かくなる上は)
ピッピッ
29:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:31:41.76 ID:lh55PHNT0
先代P『それにしても……今の君のなりふり構わないその行動力、そっちにいた頃の俺を思い出すよ。君もすっかり765プロに染まってきたんじゃないか?』
P「ふふっ。かもしれませんね」
先代P『新ユニット企画の好評、こっちにも届いてるよ。俺が研修を終えてそっちに戻る頃には、劇場もすごいことになってるんじゃないか。楽しみだよ』
30:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:32:14.11 ID:lh55PHNT0
――Charlotte・Charlotte劇場お披露目公演当日
P「こんにちは。ようこそいらっしゃいました」
31:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:32:58.11 ID:lh55PHNT0
――公演終了後
P「みんなお疲れ様! 改めて、今日は本当に最高のステージだったよ」
32:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:33:38.38 ID:lh55PHNT0
コンコン ガチャ
P「まつり、少しいいかな――あ…」
まつり「ほ――Pさん……」
33:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:34:09.57 ID:lh55PHNT0
私もまつりと、それなりに長い時間を過ごしてきた。
だからこの子のやりたいこと、目指すもの、その深い部分の一端をも見ることができた。そんな気がしている。
この子が目指すものはきっと、この子自身がかつて憧れた概念そのもの。
34:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:34:54.37 ID:lh55PHNT0
P「あなたがどんなときも泣かない子なのは知ってる。だからもしあなたに涙を流すときがあったとしても、それを知る人は誰もいないから、誰も受け止めようがない」
P「でもその涙はきっと、あなたがお姫様として輝くために必要なもの。ならその涙を誰かがそばで受け止められたら、魔法みたいに素敵な奇跡になるんじゃない?」
まつり「……あなたは、ずるいよ。私はただいつもの私でいたいだけなのに、それを許してくれないなんて」
35:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:35:23.61 ID:lh55PHNT0
まつり「……」
ギュッ
P「別れが悲しいわけでも、手紙が嬉しいわけでもないんでしょ。……悔しいんだよね」
36:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:36:43.74 ID:lh55PHNT0
――2月4日
P「まつり、誕生日おめでとう」
37:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:37:20.23 ID:lh55PHNT0
エミリー「仕掛け人さま、まつりさん、おはようございます」
育「おはようございます!」
P「あら、エミリー、育。おはよう」
38:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:37:50.11 ID:lh55PHNT0
育「Pさん、ブルーレイ持ってるんだったよね。じゃあ今度エミリーさんもさそっていっしょに見ようね!」
P「ええもちろん。約束ね。――それより二人とも、今日はまつりの誕生日パーティーの準備をするんじゃなかったの?」
育「そうだよエミリーさん! わたしたちのプレゼント、まつりさんが先に見つけちゃったらサプライズじゃなくなっちゃうよ」
39:名無しNIPPER[sage]
2020/02/06(木) 18:38:27.23 ID:lh55PHNT0
ありがとうございました。
もしよろしければ『中谷育と、ワケあり女性P』もよろしくお願いいたします。
40: ◆NdBxVzEDf6[sage]
2020/02/06(木) 19:06:48.56 ID:jvz4DMHT0
このPだとCharlotte・Charlotteの話はこういう感じになったか
今のメメントも変わってくるんだろうか
乙です
Charlotte・Charlotte
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