九頭竜八一「何がわかった?」夜叉神天衣「竜王になるための条件よ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 00:57:56.42 ID:30BMMpCHO
プロローグ

うさぎとカメという童話がある。
足の速いうさぎと遅いカメが競走する物語だ。
僕と彼の関係はそれとよく似ている。

彼はとても足が速かった。
なにせ、光速よりも速かった。
しかも彼はうさぎとは違い、怠けなかった。
彼我の距離は開く一方で、全く追いつけない。

しかし、どんな競走にも必ずゴールがある。

うさぎとは違い、彼はゴールに辿り着いた。
僕はゆっくりとそのゴールに近づいていく。
そうしてようやく彼に追いつくことが出来た。

全力で走った彼はとても、とても疲れていた。
僕も全力で走っていたけれど、もともと鈍足な分、まだ余裕があった。だから、追い抜いた。

「お先に」

疲れた彼を置き去りに、先へ、先へと進む。

この先はいったいどこへと続いているのか。
のんびり歩きながら、開けた視界を眺めた。
追いついてくるであろう、彼を待ちながら。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:01:50.14 ID:30BMMpCHO
「ねえ、先生」
「ん? どうした、天衣」
「あなたに聞きたいことがあるの」
「なんだよ、改まって」

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:05:46.63 ID:30BMMpCHO
「あの人は有名だからわざわざ俺に聞かなくても天衣はよく知ってるだろう?」
「あなたの口から聞きたいのよ」

そうねだる天衣の口調はやや甘え気味だった。
本来ならば師匠として、甘えるな、自分で棋譜なり自伝だのを読んで調べてこい、と突き放すべきなのかも知れないが、めっちゃかわいい。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:09:15.25 ID:30BMMpCHO
『よろしくお願いします』

両者の挨拶で長い長い3カ月が始まった。
当時、16歳の八一は初めてのタイトル戦。
まぐれで予選を勝ち進み、挑戦者決定戦に勝利して、ビギナーズラックで竜王に挑んだ。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:12:40.23 ID:30BMMpCHO
「負け……ました」

最初の2日間が終わった。
八一は負けた。善戦はしたと思う。
持ち前の若さと勢いで攻めに攻めた。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:15:20.21 ID:30BMMpCHO
「……あんなのありかよ」

第二局のあと、八一は消沈していた。
穴熊は上部からの飽和攻撃に弱い。
竜王はそこを突いて、八一の玉を押し潰した。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:18:05.81 ID:30BMMpCHO
『よろしくお願いします』

竜王戦、第六局。
これに勝てば八一は竜王となる。
負けても、第七局でチャンスがある。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/05(水) 01:20:59.44 ID:30BMMpCHO
(ちょっと手抜いて面白くしてやるか……)

そんな軽い気持ちで竜王の細い攻めを手抜く。

「ッ!?」
以下略 AAS



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