14: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:21:37.20 ID:W4W9+UtG0
11
喫茶店ユリーズ・木犀浪学園前臨時店舗
「混んでますね」
15: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:22:05.57 ID:W4W9+UtG0
カワイイ衣装のメイドさんは行ってしまった。彼女から目を離すと、かな子は既にメニューを真剣に見つめていた。
「おっ!おふたりさん、いらっしゃい」
「店長さん、こんにちは」キッチンカーの中から昨日会った店長さんが声をかけてくれた。声はかけてくれたけど、調理の手は止めない。それにしても、あの量の髪をどうやって調理帽の中に入れているのか不思議だわ。
16: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:23:55.42 ID:W4W9+UtG0
12
喫茶店ユリーズ・木犀浪学園前臨時店舗
「サラダもパスタも、美味しかったですね♪」
17: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:24:44.31 ID:W4W9+UtG0
13
喫茶店ユリーズ・木犀浪学園前臨時店舗前
「ごちそうさまでした♪」
18: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:26:09.45 ID:W4W9+UtG0
14
木犀浪学園・校庭・食堂前
かな子との散歩は穏やかな気持ちと心地よい疲れをもたらしてくれた。そう、物事は幾らでも良く言える。悪く言えば、散歩した道に目ぼしいものはなかった。平坦な道に、まばらな民家と古ぼけた電柱、少しでも視線を逸らせば学園の塀と建物が見えた。かな子と見つけた発見は、半分ほど苔に覆われたお地蔵さんを見つけたことくらい。かな子は自分のハンカチでお地蔵さんの顔を拭いてあげると、手を合わせていた。私も手をあわせて、何かを願ったふりをした。薄目をあけると、私よりもずっと長く目を閉じていたかな子が見えた。散歩の思い出はそのくらい。
19: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:26:41.19 ID:W4W9+UtG0
「ごめんなさい、見てませんでした」
「謝ることはないわ」準備していた返答の返答をする。かな子が私に謝るようなことは、そう簡単にはないと思うし。
「どんな人形だったんですか?」
20: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:27:32.67 ID:W4W9+UtG0
15
夜
木犀浪学園・大校舎1階・食堂
21: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:28:36.41 ID:W4W9+UtG0
「琴歌ちゃん、おかえりなさい!」
「あら、こんばんは」西園寺琴歌。西園寺家のご令嬢とクラスメイトになるなんて、1年前は思ってもみなかったわ。1年前は転校なんて考えてもいなかったけれど。
「ご一緒してもよろしいですか?」
22: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:29:32.80 ID:W4W9+UtG0
「違うと思いますわ。2人部屋に独りでいるのは寂しいことですわ」
「そ、そうですよ、奏さん」
「やっぱり、疑い過ぎね。ごめんなさい」西園寺さんは嘘をついたようには見えなかった。嘘はついていないけれど。
23: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:30:10.73 ID:W4W9+UtG0
16
学生寮・1号館・地下1階・廊下
「ふぅ……長湯しすぎちゃったわね」寮の大浴場も今日から再開していた。1号館の地下にあるから、階段を昇り降りしないといけないのが難点ね。それでも、部屋にあるバスルームではなく大浴場を使っている。どっちが多いのかしら、後で聞いてみましょう。広いお風呂はいいわ。実家の足を自由に伸ばせないお風呂から解放されて、長湯し過ぎちゃったわ。あまり長湯すると、かな子が心配するわね。
24: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:31:23.92 ID:W4W9+UtG0
17
学生寮・2号館・343号室
「奏さん、これをどうぞ」
55Res/100.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20