速水奏「人形の夢」
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14: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:21:37.20 ID:W4W9+UtG0
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喫茶店ユリーズ・木犀浪学園前臨時店舗

「混んでますね」

「ええ、門の外で生徒が集まってるのは初めて見たわ」いつもの制服ではないけれど、学園の生徒なのだろうな、というのはわかる。どことなく落ち着いていないけれど、騒ぎすぎる集団にならない。

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

昨日の店長と異邦人とは違う元気な店員さんだった。丸い瞳は緑色。飾り気がないのが、逆に好印象。名札には、原田美世と書いてある。

「こんにちは、ふたりです。空いていますか?」

「中は満席なんだ、ちょっと待っててね。若葉ちゃーん!外の席空いてる?」

エプロンの下は清潔感のあるパンツスーツ……何故、スパナがお尻のポケットに入ってるのかしら。

「空いてますよ〜」

「キッチンカーの前の席だけど、いい?」

「奏さん、大丈夫ですか?」

「構わないわ」

「いらっしゃいませ〜、ご案内します〜」

「あら、カワイイ」かな子よりも背の低い、髪の毛がふわふわもしゃもしゃで、メイドのような衣装の店員さんが奥から出て来た。名前は若葉ちゃん、って言ってたわね。可愛らしいけれど、高校生ではなさげ。

「若葉ちゃん、よろしくね!」

「はい〜、おふたりさまご案内です〜」ぴょこぴょこと揺れる髪を見下ろしながら、移動する。他の生徒がケータイで写真を撮るのにもにこやかに応えている。

「カワイイですね」

「そうね。かな子にも似合うと思うわ」私には似合わないだろうけれど。

「そんなことないですよっ」

「こちらの席へどうぞ〜、メニューはこちらです」

「ありがとう」キッチンカーのテーブルとイスに案内された。4人掛けのイスには別の学園の生徒が既に座っている。

「ごゆっくり〜」




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