22: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:29:32.80 ID:W4W9+UtG0
「違うと思いますわ。2人部屋に独りでいるのは寂しいことですわ」
「そ、そうですよ、奏さん」
「やっぱり、疑い過ぎね。ごめんなさい」西園寺さんは嘘をついたようには見えなかった。嘘はついていないけれど。
「奏さん、謝ることなんてありませんわ」
こちらの目的は見透かされた。少しだけ意地悪をして、西園寺のご令嬢がどう反応するか見たかったけれど、優しい微笑みしか返ってこなかった。彼女に責めるつもりなんてないでしょうけれど、これ以上したところで得はしないでしょうね。私は、別に彼女を不快にさせたいわけじゃないの。
かな子が他愛もない学園の話題に戻してくれて、穏やかな夕食時が戻ってくる。ゴールデンウィークも終わって明日から授業をがんばりましょうね、という定型文で最後は別れた。
明日から授業が始まる。少し退屈で堅苦しい、私が望んだ生活が。
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