17: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:24:44.31 ID:W4W9+UtG0
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喫茶店ユリーズ・木犀浪学園前臨時店舗前
「ごちそうさまでした♪」
「ごちそうさま。また来る……ことは出来なそうね」チャンスは事実上今日だけ。
「旅先で良いお店に出会った感じに、思っていただければいいんですよぉ」
「そう思うことにします。店員さん、今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございましたぁ」
「かな子、行きましょうか」間中さんはにこやかに送り出してくれた。仲の良い友人達と仕事をするのは悪いことじゃないように思えた。
「奏さん、これからどうしましょうか」
「そうね、少し散歩でもしましょうか」今日は暖かいことだし。
「散歩です、か?」
「あらキライなの?」ピクニックとか散歩は好きそうなのに。
「お散歩は好きですけど、学園の周りって何もないから」
「そういう理由?」かな子にそう言わしめるのだから、何もないのでしょうね。
「でも、学園の中をお散歩するのはいいですよ。古い建物とかアンティークとかたくさんあるんです」
「へぇ。でも、また今度ね」かな子の言うことは聞かずに歩き出す。学園内は案内してもらいましょう、そのうちね。
「か、奏さん、待ってくださいっ」
「あら、帰ってもいいのよ?すぐに戻るから、安心して」かな子は私を独りにはしないから、きっと一緒に歩いてくれるはず。
「そういうわけにはいきません!」
「じゃあ、一緒に行きましょう?」ほら、ね。手を差し伸べて、かな子を呼び寄せる。並んでから、私達は東に向かって歩き始めた。
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