高山紗代子「敗者復活のうた」
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308: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:56:22.46 ID:ZRhpxi3E0
 元気に答える紗代子だが、さすがに息があがっている。
 一瞬、棄権しようかという思考がプロデューサーの脳裏をよぎる。
 黒井社長が審査員である以上、紗代子はトータル得点で他のアイドルより10点は低く集計されることは間違いない。
 そして今現在残っている娘は、全員が今年デビューしたアイドルの中でも、それこそトップの娘らだ。
 1点の損失が命取りになりかねない。
以下略 AAS



309: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:57:56.07 ID:ZRhpxi3E0
P「なぜだ……」

紗代子「え?」

P「どうして紗代子は、そんなにも希望を持っていられるんだ……希望を捨てずにいられるんだ……どうして……」
以下略 AAS



310: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:58:27.49 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「プロデューサーに教わるまで、私はこんなステップどころか普通にダンスをすることもできませんでした」

P「? ああ」

紗代子「今は、歌えば歌声をほめられたりします。でも、発声の基本も、歌に気持ちをのせる方法も、プロデューサーが教えてくれました」
以下略 AAS



311: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 17:59:12.59 ID:ZRhpxi3E0


紗代子「夢の、あきらめかたです」


以下略 AAS



312: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:00:43.90 ID:ZRhpxi3E0
P「!」

紗代子「私のプロデューサーは、将来を夢見たアイドルを引き抜かれても、周りからひどいことを言われても、それで心に傷を負って人前に出られなくなっても、夢をあきらめなかった人です」

P「俺は……」
以下略 AAS



313: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:01:10.31 ID:ZRhpxi3E0
P「わかった」

紗代子「え?」

P「今、わかった。俺は今、プロデューサーとしての真価を問われているんだ」
以下略 AAS



314: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:09:07.00 ID:ZRhpxi3E0
P「豊川さん、紗代子をお願いします。できたら可能な限り疲労を取ってやって欲しいんですが」

風花「わかりました。水分補給と、マッサージをしてあげてます」

紗代子「すみません、風花さん」
以下略 AAS



315: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:10:09.77 ID:ZRhpxi3E0
P「そのまま聞いてくれ。衣装を変える。あの紫のシックドレスだ。歌は『明日……』だ」

紗代子「あの歌はまだ……」

P「練習中なのは、わかっている。だが、歌える。紗代子は歌えるんだ」
以下略 AAS



316: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:10:39.24 ID:ZRhpxi3E0
P「日本とアメリカ……ラスベガスとの時差、わかるか?」

紗代子「えっ?」

P「こっちはむこうより17時間早い。今が夜8時だからむこうは……」
以下略 AAS



317: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 18:11:26.27 ID:ZRhpxi3E0
P「Shahに……あの子に聞かせてやるんだ。会ったとはいえ、そんなに話はできなかったんだろう?」

紗代子「わかりました。歌で聞かせてあげます、あの子に、私のアイドルとしての今までを」

P「それでいい。黒井社長以外の審査員に10点以上を出させる……奇蹟に挑戦だ」
以下略 AAS



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