244: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:15:19.51 ID:ZRhpxi3E0
P「歌番組も好評だった。色々と仕事も入ってきている」
紗代子「本当ですか!? 良かった……あ、でも、まだまだですよね。もっと私、上を目指したいです!!」
245: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:16:16.96 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「東京都文化会館ですか? 確か……上野だったと思いますが……どうかされましたか?」
紗代子「私の単独ライブが決まったの!」
瑞希「本当ですか……いよいよ単独でのライブなのですね。私、当日は観客として、高山さんに声援を送りたいと思います」
246: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:19:29.84 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「それから……この間、私に言ってくれたことも」
瑞希「高山さんに……私が、言ったこと……ですか?」
紗代子「瑞希ちゃんは私に、事実だけを見ようって言ってくれたよね。だから……うん、今起きてることだけ見ていくよ。Shahのことは、今はプロデューサーとは分けて考える」
247: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:20:27.63 ID:ZRhpxi3E0
「ホントにマジだって! いたんだよ、あのShahが」
「もうすぐロンドンでライブだろ? こんなとこにいるもんか」
「でも確かにちょっと似てたな」
248: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:20:55.71 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「私……わかる? 私は……」
Shah「よーちゃん! よーちゃんでしょ!? まさか会えるなんて……元気にしてた!?」
紗代子「さーちやんこそ!! ずっとずっと……会いたかったよ!!」
249: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:38:46.37 ID:ZRhpxi3E0
瑞希が2人を連れてきたのは、いつぞや善澤記者が紗代子と瑞希を連れてきたカフェだった。
瑞希が善澤の名前を出すと、さして詮索もされず件の個室に3人は通された。
Shah「もしかしたら会えたりするかもとは思っていたけど、本当によーちゃんに会えるなんて! ネットで見たよ。アイドルとして、がんばってるんだ」
250: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:39:33.84 ID:ZRhpxi3E0
Shah「なんで……って、私のせいでよーちゃんがあの人の片棒を担がされて……やっぱり、あの人に脅されたりされてるの?」
紗代子「お、脅される!?」
瑞希「待ってくださいShahさん。話が噛み合っていません……脅されるとはなんのことですか?」
251: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:40:18.70 ID:ZRhpxi3E0
Shah「あの人……あのプロデューサー、私を脅迫してたの」
紗代子「きょう……はく?」
Shah「アメリカは訴訟に対しては寛容よ。だけど、脅迫となるとそれは別。明らかに反社会的な行為として咎められるわ。コーエンは事を重く見て、CIAに相談したって言ってた。国を跨いでの犯行予告だったし」
252: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:41:11.02 ID:ZRhpxi3E0
心配そうに紗代子を見ながら、それでも瑞希は聞く。
瑞希「当初は、ということは。その後が……あるのですか?」
Shah「ええ……しばらくすると、文章は妙に紳士的なものになったわ。でもそこから先は、一切がラングレーが証拠として管理をしだしたから、私はよく知らないの」
253: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:43:07.07 ID:ZRhpxi3E0
Shah「あの人は、今に見ていろ、俺の実力を証明してやる……なんの……なんの才能もないやつを、誰も見向きもしないような者を、俺だけの力でプロデュースしてトップアイドルにしてみせてやるからな……って……」
紗代子の顔から、顔色と表情が抜け落ちた。
涙すら出なかった。
凍ったように世界が止まった。
254: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:44:33.82 ID:ZRhpxi3E0
Shah「慰めのつもりじゃないけど」
ポツリとShahが口を開く。
Shah「私は、よーちゃんの実力も才能も信じてるよ。それから……あの人のことも」
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