高山紗代子「敗者復活のうた」
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244: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:15:19.51 ID:ZRhpxi3E0

P「歌番組も好評だった。色々と仕事も入ってきている」

紗代子「本当ですか!? 良かった……あ、でも、まだまだですよね。もっと私、上を目指したいです!!」

P「うむ……確かにまだまだやるべきことは、ある。だが、こうした世間からの求めに応じるのもアイドルとしての大切な仕事だ」

紗代子「はい。私、がんばります」

P「とりあえず、劇場外で単独ライブをうつ」

紗代子「劇場外……ですか?」

P「今度は本当に1人だぞ。どうだ? やるか?」

紗代子「はい」

P「いい返事だ。単独だから、色々とやってもらうぞ。覚悟しておけ」

紗代子「もちろんです。それで、どこなんですか? 劇場外って」

 一瞬、プロデューサーの顔が曇ったのを、紗代子は見逃さなかった。
 が、彼は軽く頭を降ると、殊更に笑顔で答える。

P「東京都の文化会館だ。しかも、大ホールだぞ。大きなハコだが、気後れするなよ」

 その答えで、紗代子はなぜプロデューサーの表情が曇ったのかを悟った。
 東京都文化会館は、Shah……いや、あの子のデビューイベントとなるはずだった会場だ。
 プロデューサーにとっては、苦い思いでの場所だ。
 今度は……いや、自分はなんとしてもプロデューサーに成功の喜びを味あわせてあげたいと強く彼女は思った。



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