279:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:40:21.47 ID:Hn+oLRjQ0
自分が他者に分け与えられるものなど無いと思っていた。
しかし、目の前のこの人達は、私に信じさせてくれる。
この身を投げ出すことで巡り合う、得難き喜びもあるのだと。
私なんかが、無償の愛などという気取ったことは言うまい。
280:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:42:02.93 ID:Hn+oLRjQ0
Dear boy いつも夜空にわたしを探して
すぐ見つけられるように 強い光を放とう
瞬く軌道は ふたりの目印
今どこで見ているの? truth 感じてる
281:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:47:30.94 ID:Hn+oLRjQ0
ダンサブルな曲でもないはずなのに、舞台袖に向かう脚がフラフラしている。
お嬢様は、一体どれほどの極限にいたのだろうか。
「チヨ!」
282:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:49:18.41 ID:Hn+oLRjQ0
「千夜ちゃん」
ふと声が聞こえた方へ目を向ける。
お嬢様と――凛さんだ。
283:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:53:38.65 ID:Hn+oLRjQ0
振り返ると、アイツがタオルと給水を持って私の後ろに立っていた。
「お疲れ様でした」
284:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:55:30.40 ID:Hn+oLRjQ0
「……ばーか」
コホンと咳ばらいをして、滲んだ視界でもはっきりそれと分かる真っすぐな定規を見つめる。
「お前なんか、お前で十分です。これまでも、これからも」
285:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:03:54.45 ID:Hn+oLRjQ0
――――
ねぇ、ちょっと。
ちょっとそこのキミ。キミだよ。
286:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:07:59.94 ID:Hn+oLRjQ0
何でー? 学校嫌い?
じゃあ私がさ、とっときの技を伝授したげるよ。
ほれっ、ドサーッ♪
287:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:21:05.63 ID:Hn+oLRjQ0
えーと、しら、うーん――日本語難しい?
そんならねぇ、ほれ、雪。
ホワイトスノー。たしかそれで合ってるでしょや?
それが私の名前、ていうか名字。皆にもそれで通してんの。
288:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 02:30:09.09 ID:Hn+oLRjQ0
* * *
「お戯れを、お嬢様」
まったく――余計な戯言を挟まれたせいで、もう一度お皿を数え直さなくてはならない。
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20