善子「それでも私は■■を愛して生きていたいのです」
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名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:38:14.61 ID:gGVI8GvBO
次の日はずっと、憂鬱だった。
あっさりと「アイツ」が消えたのに、まだ、心の中に深い霧がかかった様になっている。
善子「……」ボーッ
以下略
AAS
33
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:39:17.72 ID:gGVI8GvBO
ダイヤ「夏休みの練習予定を決めますわ!」
部活の時間になっても、私は変わらず鬱蒼としていた。
ホワイトボードにダイヤが円グラフの描かれた紙を貼りつけている。それを基に皆が意見を出し合っているが、中身がちっとも頭に入って来ない。
以下略
AAS
34
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:40:24.21 ID:gGVI8GvBO
やめて。お願いだから、その言葉を言わないで。
果南「大丈夫だよ、千歌、そんな簡単に人は死なないって」
そうだ、人は簡単には死なない。でも、いつかは訪れる必滅の裁き。
以下略
AAS
35
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:41:24.67 ID:gGVI8GvBO
善子「あ…………」
やってしまった。
みんな、目を丸くしてこっちを見ている。
以下略
AAS
36
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:41:58.21 ID:gGVI8GvBO
バスを待っている間も、揺られている最中も、家に駆けこんだ後も、頭の中が白く漂白された様で全く何も考えることが出来なかった。
何かを考えなければならないのに、何も頭が働かない。ただぼーっと、日々やってきた動作を繰り返しているだけだった。
これから先、私はこのようにして生きていかなければならないのか。
以下略
AAS
37
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:42:34.23 ID:gGVI8GvBO
「……ぅぇ……ひっ……ぐすっ……」
ひとりになったら、両の目から涙が溢れてきた。
泣いても何も変わらないのに、ただただ、涙が溢れて止まらなかった。
以下略
AAS
38
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:43:29.95 ID:gGVI8GvBO
「友達に当たり散らして、最低ね?」
私、最低だ……。
以下略
AAS
39
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:45:07.39 ID:gGVI8GvBO
「うるさい、私が一人の時にしか来ない臆病者のくせに」
「そりゃあ臆病者よ、だって“わたし”は貴方よ?」
「“わたし”は、あなたの心、死にたくないと抗う心」
以下略
AAS
40
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:47:38.53 ID:gGVI8GvBO
「この阿鼻叫喚の下界で、地べたに足をつけて必死に行きてきたじゃない」
「あなたは“わたし”の代わりに、傷だらけになって、矢面に立って来た」
「臆病な私の代わりに、時折しかこの世界に堕ちてこないわたしの代わりに、必死になって立ち向かって来たじゃない」
以下略
AAS
41
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:48:19.06 ID:gGVI8GvBO
次の日になって登校すると、朝一番に千歌とダイヤと果南に頭を下げて謝られた。
どうやら事情をあの後、部室でルビィと花丸から聞いたらしい。
私としては、むしろこちらが空気を悪くしてしまったことを謝ろうと思っていたので、拍子抜けして、少し笑ってしまった。
以下略
AAS
42
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:49:24.79 ID:gGVI8GvBO
どうやら私は未だ、タナトフォビアみたいです。
生の苦しみは、死の苦しみ。永遠に続く、流転の苦しみ。
生きるのは、苦しくて怖い。死ぬかもしれないし、殺されるかもしれない。
以下略
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