善子「それでも私は■■を愛して生きていたいのです」
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名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:26:15.28 ID:gGVI8GvBO
川の上を、ぼんやりとした光が流れて来る。緩やかなこの川の流れに沿って、対岸からゆっくりと灯篭がこちらへとやって来ます。
気が付けば、昼間の太陽の熱がまだ残る川沿いに多くの人が集まっていました。
普段寂れて人が居ない商店街が並んでいるというのに、祭事た催し物があると庭の隅のアリの巣をつついた様に、何処にいたのか分からない程の数の人が集まって来るのが、この町の特徴です。
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/21(日) 04:27:48.30 ID:gGVI8GvBO
この行為の意義を、考えてしまった。
もしも自分が死んだとして、自分を偲び、家族や親戚がこの場に足を運んで、こういった催しに参加してくれたのならどうだろうか?
私なら多分、嬉しいと思う。
以下略
AAS
18
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:28:31.39 ID:gGVI8GvBO
この夜私は初めて、件の思考を他人に打ち明けることにしました。ルビィと花丸の二人にです。
半ば解放されるかもという希望を持って、が半分。勇気を出して死に触れたのに何も変わらなかった現実に対して自暴自棄な気持ちを持って、が半分でした。
きっと二人なら、笑い飛ばしはしないだろう。そこだけは、絶対に信用できる。ただ、理解してもらえるかは、全く分からなかった。
以下略
AAS
19
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:29:09.76 ID:gGVI8GvBO
ルビィは、心配そうな目をしていました、「辛くなったらいつでも電話かけて来てもいいからね、夜中でもルビィ、こっそり家を抜け出して電話に出るから」そう言ってくれました。
ルビィは、優しい子でした。
きっと、その答えは友達として「正解」なのでしょう。
以下略
AAS
20
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:30:14.22 ID:gGVI8GvBO
ちゃぽん、ちゃぽん
無音のバスルームに水をかき回す音が静かに響く。
以下略
AAS
21
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:30:49.03 ID:gGVI8GvBO
善子「……帰って」
「冷たいわね〜いいじゃない、少しくらい」
善子「こっちはアンタになんか構ってられないの!帰って!」
以下略
AAS
22
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:31:47.59 ID:gGVI8GvBO
「“理解”は“愛”よ。その人の事を知って、見返りを求めずその人の為になる事をしたくなる」
善子「……なにそれ」
「貴方が不幸の星に生まれたって言ってるのもその通り、結局愛されてないのを信じても無い神様のせいにして、肝心な事は考えるのを辞めてる」
以下略
AAS
23
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:32:27.77 ID:gGVI8GvBO
善子「……はぁっ…はぁっ…」
花丸「善子ちゃーん大丈夫? 今お風呂の中で水のすごい音がしたけど……」
以下略
AAS
24
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:32:53.49 ID:gGVI8GvBO
その日から祭りのの二日は、花丸とルビィと一緒にいたからかそれ以上“わたし”が出てくる事はありませんでした。
ルビィ「あー!善子ちゃんルビィのポテト食べた!」
以下略
AAS
25
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:33:30.74 ID:gGVI8GvBO
『何か用事が有るなら、ご飯を自分で食べてくれれば適当に言い訳しておくから出席しなくてもいい』お母さんはそう言ってくれた。
しかし、私はその場でついて行くことに決めた。
結局、私は変われないのです。ずら丸とルビィの二人に打ち明けた時と、灯篭流しについて行くと決めた時と、全く考えは変わって無いのです。
以下略
AAS
26
:
名無しNIPPER
2019/07/21(日) 04:34:00.06 ID:gGVI8GvBO
週末になって参加した葬儀は、恙無く進行していきました。
「それでは故人との最後のお別れです」
以下略
AAS
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