奏「夏紀センパイ、付き合っていただけませんか?」
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43:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:48:07.07 ID:lDAUfTp00
月末には低音パートのみんなでクリスマス会をした。といってもファミレスでごはん食べて、カラオケとボーリングに行っただけだけど。
後藤先輩梨子先輩は、忙しい時間を縫って顔を出してくれた。
夏紀センパイは二次会のカラオケから途中参加。
44:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:48:36.07 ID:lDAUfTp00
帰り際、「よいお年を」と言った夏紀センパイと目が合った。
「あの!」私は無意識に呼び止めていた。
「どうかした?」センパイが首をかしげる。
45:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:49:08.58 ID:lDAUfTp00
電車を降りると、すっかり日が落ちている。
夜空を見上げると、雲間から姿を現した月がホームを白く照らしていた。スマホを取り出し、月に向けて掲げた。
その瞬間だった。
46:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:50:27.07 ID:lDAUfTp00
夏紀『うわっ、出るのはやっ』
奏「なんですかいきなり」
夏紀『だってまだワンコールも鳴ってなくない?』
47:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:51:10.69 ID:lDAUfTp00
奏「……で、なんなんですか。何か用ですか」
夏紀『別に用ってほどのもんでもないけど。たださっきあんまり話せなかったから』
奏「そうでしたっけ?」
48:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:54:01.41 ID:lDAUfTp00
奏「照れてらっしゃるのですか?」
夏紀『べつに照れてないし』
奏「もしや今もご一緒にいらっしゃるのでは? なにせクリスマスですから」
49:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:54:51.04 ID:lDAUfTp00
夏紀「ごめん。心配だったから、ついてきた」
奏「……なんで」
夏紀「カワイイ後輩を心配するのに理由なんかいる?」
50:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:56:04.26 ID:lDAUfTp00
奏「私は……」
いつからフツウじゃなくなった?
奏「私はいつだっておかしいですよ」
51:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:57:32.89 ID:lDAUfTp00
ふたりで並んで歩くのは、あの日以来だった。
ずいぶん昔のことのようにも、昨日のことのようにも思う。今年もあと少しで終わる。新学期になれば三年生はほとんど学校に来ない。
52:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:58:00.91 ID:lDAUfTp00
奏「さむ」
夏紀「さむっ」
53:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:58:38.39 ID:lDAUfTp00
夏紀「ハッ…」
奏「ハッピーアイスクリーム!」
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