奏「夏紀センパイ、付き合っていただけませんか?」
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54:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:59:48.77 ID:lDAUfTp00
夏紀「はや……」
奏「ふふん。センパイがニブイんですよ」
夏紀「ぐわ……でも真冬にアイス奢る、ってのもなあ」
55:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:00:30.01 ID:lDAUfTp00
私は足を止めて、センパイに向き直った。
相変わらず目つきが悪い。その目をじっと見つめる。
センパイも私を見ている。
56:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:01:12.27 ID:lDAUfTp00
奏「夏紀センパイ」
誰かの名前を呼ぶとき、こんな声が出るなんて思いもしなかった。
57:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:01:45.35 ID:lDAUfTp00
58:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:02:21.04 ID:lDAUfTp00
センパイは私の言葉を聞いても、表情を崩さず、黙ったまま私の目を見つめていた。
59:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:03:16.17 ID:lDAUfTp00
奏「……タルトの、お店があるんです。おいしいって評判の。タルトタタンです。岡崎に……えっと、平安神宮のすぐそばらしくて、」
奏「センパイも無事に受験が終わられたとのことですし、これから冬休みですし、練習のない日に、はい。もし、ご都合がよろしければ、センパイの、ですけど」
夏紀「いいよ」
60:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:03:47.95 ID:lDAUfTp00
夏紀「はー、緊張したー」
奏「……なんです」
夏紀「奏の顔、すっごいマジだったんだもん。なに言われるかと思った」
61:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:04:17.89 ID:lDAUfTp00
夏紀「ちゃんと奢ったげるから、誕生日祝いも兼ねて」
奏「……ご存知、だったんですか」
夏紀「七日でしょ。一月の」
62:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:06:21.25 ID:lDAUfTp00
夏紀「奏のことが好き。
奏が吹部に入ってくれてうれしかった。
低音パートを希望してくれてうれしかった。
一緒にユーフォが吹けてうれしかった。
63:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:06:56.65 ID:lDAUfTp00
センパイ。あなたってひとは。
奏「私……、」
どうして、あなたってひとは。
64:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 15:15:48.35 ID:lDAUfTp00
家の前まで送ってもらい、センパイと別れた。
送っていただき、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。
そう言って深々と頭を垂れた。
センパイがいなくなるまでずっと、頭を下げていた。
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