奏「夏紀センパイ、付き合っていただけませんか?」
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40:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:46:06.67 ID:lDAUfTp00
夏はあっという間に過ぎた。
二学期が始まると、センパイと顔を合わす機会がめっきり減った。
41:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:46:58.31 ID:lDAUfTp00
一日ごとに空気は冷たくなってゆき、12月になった。
受験戦線が佳境に入り、心なしか校内の空気もぴりついている。
インフルエンザが流行の兆しを見せているとかで、マスクをしてる生徒も増えた。
42:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:47:28.97 ID:lDAUfTp00
その日はいっそう寒い日で、午後からは雪の予報だった。
放課後、夏紀センパイが推薦で大学に合格したことを、久美子センパイから聞いた。
久美子センパイが職員室の滝先生を訪ねた際、たまたま夏紀センパイと遭遇し、教えてもらったらしい。
43:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:48:07.07 ID:lDAUfTp00
月末には低音パートのみんなでクリスマス会をした。といってもファミレスでごはん食べて、カラオケとボーリングに行っただけだけど。
後藤先輩梨子先輩は、忙しい時間を縫って顔を出してくれた。
夏紀センパイは二次会のカラオケから途中参加。
44:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:48:36.07 ID:lDAUfTp00
帰り際、「よいお年を」と言った夏紀センパイと目が合った。
「あの!」私は無意識に呼び止めていた。
「どうかした?」センパイが首をかしげる。
45:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:49:08.58 ID:lDAUfTp00
電車を降りると、すっかり日が落ちている。
夜空を見上げると、雲間から姿を現した月がホームを白く照らしていた。スマホを取り出し、月に向けて掲げた。
その瞬間だった。
46:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:50:27.07 ID:lDAUfTp00
夏紀『うわっ、出るのはやっ』
奏「なんですかいきなり」
夏紀『だってまだワンコールも鳴ってなくない?』
47:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:51:10.69 ID:lDAUfTp00
奏「……で、なんなんですか。何か用ですか」
夏紀『別に用ってほどのもんでもないけど。たださっきあんまり話せなかったから』
奏「そうでしたっけ?」
48:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:54:01.41 ID:lDAUfTp00
奏「照れてらっしゃるのですか?」
夏紀『べつに照れてないし』
奏「もしや今もご一緒にいらっしゃるのでは? なにせクリスマスですから」
49:名無しNIPPER[saga]
2019/07/14(日) 14:54:51.04 ID:lDAUfTp00
夏紀「ごめん。心配だったから、ついてきた」
奏「……なんで」
夏紀「カワイイ後輩を心配するのに理由なんかいる?」
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