アンチョビ「一万回目の二回戦」
1- 20
2: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:29:55.42 ID:l6pE73h60

『フラッグ車、P40、走行不能!』

 審判長の声が響く。
 自車の白旗が見え、辺りを見渡して確認すると、アンツィオの車両からは全て同じものが揚がっていた。
以下略 AAS



3: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:32:36.30 ID:l6pE73h60

「姐さん、すみませんでした」

 頭を下げるペパロニに、「お前のせいじゃないさ」と返す。

以下略 AAS



4: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:34:26.83 ID:l6pE73h60

 さーて、と大洗の西住隊長の元へ向かい挨拶すると、彼女は「勉強させていただきました」と言ってくれた。
 それが嬉しくて、私は少しだけ照れ隠しに顔を逸らした。

 フィアットから食材やパスタ鍋を運び出し、ペパロニとカルパッチョの指揮でうちの生徒たちが次々に料理を完成させる。
以下略 AAS



5: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:35:39.04 ID:l6pE73h60

 せっかくなので西住と話をしてみると、驚くことがあった。
 私と同じく転校組の彼女は、てっきり大洗女子の戦車道復興のために招聘されたのだと思っていたが、そうではなく、むしろ戦車道から逃げるために転校を選んだとのことだった。

 しかし今は戦車道を楽しめているのだ、と心なしか自慢げに言う彼女の姿は、とても好ましかった。
以下略 AAS



6: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:37:02.36 ID:l6pE73h60

 宴会が終わって、大洗の連中と別れて会場を離れると、残った食材で二度目の宴会を始めた。
 今度は、アンツィオの生徒だけだ。

 あの場では言えなかった言葉を口にしてみると、ペパロニたちが「わたしもっすねー」と同調して、私は少し安心した。
以下略 AAS



7: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:39:39.37 ID:l6pE73h60

 目覚めると、背中に柔らかな感触があった。

「ん〜……?」

以下略 AAS



8: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:42:21.73 ID:l6pE73h60

 二段ベッドの柵から首だけ出して下を覗くと、ペパロニが幸せそうな表情でかーかーと眠っていた。

 彼女を起こさないようにゆっくり階段を下り、クローゼットからアンツィオの制服を取り出す。
 さっと着替えて、机の横に置いた籠からポーチを手に取ると、私は部屋を出た。
以下略 AAS



9: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:43:53.11 ID:l6pE73h60

「今日は遅いっすね。もしかして朝練はなしっすか? だぜ」

 顔を上げたパネトーネが言う。

以下略 AAS



10: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:46:13.73 ID:l6pE73h60

「あのな、お前たち、悔しいけど我々は負けたんだ」
「幸い、今年は無限軌道杯も復活する。負けは負け。そのことをきっちり認識して、前に進まないとな」

「ドゥーチェ、おかしくなっちゃったんすか?」
以下略 AAS



11: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:47:52.83 ID:l6pE73h60

「私たち、昨日、大洗と試合をしたよな?」

「してないっす」「夢じゃないすか? だぜ」

以下略 AAS



12: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/13(土) 21:50:07.82 ID:l6pE73h60

 血の気が引くのを感じた。

 ポーチもそのままに、二人へ背を向け廊下を駆け戻る。

以下略 AAS



287Res/150.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice