【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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71
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:47:33.19 ID:BLRBsoCc0
〇
ふと鼻先をくすぐる良い香り。食べ物ではない。これは、花の香だろう。
以下略
AAS
72
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:48:44.55 ID:BLRBsoCc0
高垣さんのことだろうか。
いまいち腑に落ちない俺に、高垣さんが耳打ちする。
「ここではみんな、屋号やあだ名で呼び合う決まりなんです」
以下略
AAS
73
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:49:42.83 ID:BLRBsoCc0
「う〜〜〜〜ん。そうだなぁ……男の人のあだ名って、どんなのがいいかなぁ……」
「あ、そんなに凝ったのじゃなくても大丈夫だけど……」
「鞄を持ってるから……かばんさん……」
「どこかで聞いた気がする」
以下略
AAS
74
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:54:16.20 ID:BLRBsoCc0
「さっそく……お花をひとつどうかな、クロさんっ♪」
ぱ、と両手をいっぱいに広げる花屋さん。
俺は花には詳しくないが、ちょっと見ないような変わり種がたくさんある。
以下略
AAS
75
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:56:23.04 ID:BLRBsoCc0
〇
次に通りかかったのは、所狭しと古書の敷き詰められた四角いテントだった。
以下略
AAS
76
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:57:34.87 ID:BLRBsoCc0
その青い瞳がこちらを向いて、ようやく俺の存在に気付いたようだった。
「……そちらの方は……?」
「クロさんといいます。このところ、よくお酒をご一緒してもらってるんですよ」
以下略
AAS
77
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 22:59:37.10 ID:BLRBsoCc0
古本屋さんはなにやら難しい顔をして、俺の健康状態を案じているようだった。
まさか勘付かれた? いや……まさかな。
「そう、ですか。……いえ……あまり、良質な睡眠を取られていないようですから……気になってしまい……」
以下略
AAS
78
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 23:03:34.50 ID:BLRBsoCc0
「……夢日記に、お使いください」
「夢日記?」
「何か夢をご覧になり……もしそれが忘れたいものであれば……この本に、書き記してください」
「そうすると、どうなるんだ……?」
以下略
AAS
79
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 23:34:14.32 ID:BLRBsoCc0
〇
「カナリヤさんっ」
以下略
AAS
80
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 23:35:42.56 ID:BLRBsoCc0
「予感、当たってました。久しぶりにカナリヤさんと会えましたから」
「あら、嬉しいわ。ありがとう♪」
こっちも自己紹介はしておくべきだろう。
以下略
AAS
81
:
◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/18(火) 23:37:07.34 ID:BLRBsoCc0
記念……か。確かに悪くはないかもしれない。
というか選択の余地が無かった。
おっとりしているように見えてこうと決めればグイグイいくタイプらしく、写真屋さんはいそいそと二人を並べさせ、
さっそくカメラを構えてしまう。高垣さんも乗り気なようだ。
以下略
AAS
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