【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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242: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/11(木) 23:55:25.87 ID:E/BVepxA0

「……でも、今だって緊張してない訳じゃないのよ?」

このみは、身長差をもどかしく感じながら、意味ありげに見えるよう、そう言って微笑んだ。

以下略 AAS



243: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/11(木) 23:55:52.15 ID:E/BVepxA0

このみは、幕の隙間からステージの様子をちらりと見た。
劇場の仲間たちが堂々と歌を歌う様子を見て、胸の奥が逸るように音を立てた。
胸に手を当てて、このみはゆっくりと息をした。

以下略 AAS



244: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:17:27.70 ID:Bg3Eqo0s0

それから、二人は資料で本番のステージでの動きや立ち位置を確認していた。
二人が長い時間をかけて準備をしてきた、このみの大事なステージが、少しずつ近づいていた。

「もうそろそろ時間ね。……プロデューサー、行ってくるわね。」
以下略 AAS



245: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:17:56.44 ID:Bg3Eqo0s0

手を伸ばして自分の資料を持った後、彼に「また後でね」と目で合図した。
彼が静かに返事をするのを見てから、このみは先ほどの扉の方へ歩き出した。

「……あ、そうそう。」
以下略 AAS



246: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:18:37.43 ID:Bg3Eqo0s0


「プロデューサーさん。」

彼に声をかけたのは、徳川まつりだった。
以下略 AAS



247: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:19:06.45 ID:Bg3Eqo0s0

彼がそう言ったところで、ステージが暗転した。
『待ちぼうけのLacrima』のステージが終わり、薄暗がりの中、麗花、ジュリア、紗代子の3人が戻ってきた。
舞台袖からステージを見ていた琴葉が、今にも泣き出してしまいそうな顔で、3人を出迎えた。

以下略 AAS



248: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:19:32.54 ID:Bg3Eqo0s0

琴葉は、ジュリアの横にある椅子に向かおうとした。
しかし、その前に麗花に呼び止められた。

「ねえねえ、琴葉ちゃん。」
以下略 AAS



249: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:19:58.41 ID:Bg3Eqo0s0

「れ、レイ……。いや、あのな……。」

「あれ、琴葉ちゃん。もしかして、イヤだった?」

以下略 AAS



250: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:20:27.03 ID:Bg3Eqo0s0

このみの次のステージでは、演出の都合上、ハンドマイクではなく小さなピンマイクを用いることになっていた。
スタッフからピンマイクを着けてもらった後、このみは袖幕のすぐ裏側に来ていた。
舞台のすぐ脇に据え付けられたこの場所は、衝立と幕で他の区画と区切られていて、出番を直前に控えたアイドルの待機所として使われている。
舞台側の衝立には人が通れる程度の隙間が設けられていて、ここを通って舞台に出て行くことができるようになっている。
以下略 AAS



251: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:20:56.42 ID:Bg3Eqo0s0

待機所の中は数メートル四方程度の広さしかなく、詰めるようにしてパイプ椅子3脚と長机1脚が置かれている。
机の上には、アクセサリなどを入れておくための収納棚と小さな鏡が設けられていて、その横には公演で使うハンドマイクを置くためのケースが置かれていた。
マイクケースの内側には、マイクの形を象るようにウレタンが敷き詰められていて、マイクが10本程度収納できるようになっている。
マイクは上手側の舞台袖で全て管理しているのだが、下手側で出番が連続する場合などのために、下手側にもこのようなマイクの仮置き場が設けられている。
以下略 AAS



252: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:21:23.28 ID:Bg3Eqo0s0

このみは、持ち込んだ資料で自分のステージの段取りを確認した後、机の上にある棚をそっと開けた。
そして、たった一つ、ブレスレットを取り出して、それを左手の上に乗せた。
何の変哲もない透明なガラス玉がついた、シンプルなものだった。
決して高価なものではないし、むしろアイドルがステージで付けるアクセサリとしては、いささか粗末なものだった。
以下略 AAS



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