247: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:19:06.45 ID:Bg3Eqo0s0
彼がそう言ったところで、ステージが暗転した。
『待ちぼうけのLacrima』のステージが終わり、薄暗がりの中、麗花、ジュリア、紗代子の3人が戻ってきた。
舞台袖からステージを見ていた琴葉が、今にも泣き出してしまいそうな顔で、3人を出迎えた。
「……みんなのステージ、凄かったよ。歌声が重なって、融けていくみたいで……。私、なんだか涙が……。」
言葉を紡ぐたびに、ひとつ、ふたつと、琴葉の目から涙が零れていった。
3人は琴葉の様子に驚いて言葉を詰まらせたが、すぐに紗代子が琴葉に駆け寄った。
「琴葉さん、大丈夫ですか?……あの、私、タオル貰ってきますね!」
「あっ、紗代子。気にしないで、自分で行けるから……。」
琴葉が言い終える前に、紗代子は小走りで行ってしまった。
ジュリアは困ったように声を漏らして、頭をかいた。
「ええと、その、なんだ。……とにかく、どこか座ろうぜ。すぐサヨは戻ってくるだろうからさ。」
すぐ横にあった休憩スペースには、5脚ほどパイプ椅子が並んでいた。
ジュリアは、ああ疲れた、と零しながら、そこにどかっと腰を下ろした。
「うん、……そうだね。ありがとう。」
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