132: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 15:59:24.01 ID:lT49CYaR0
「琴葉ちゃん。……そういえば、さっきは大丈夫だった?」
「さっき……?………あっ!」
133: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:16:06.81 ID:lT49CYaR0
そんな琴葉の様子が可愛らしくて、このみはもっとつつきたくなってしまいそうになる。
そうこうしていると、そばにいた昴が頬を染める琴葉を見て、思い返すように言う。
134: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:17:17.79 ID:lT49CYaR0
「琴葉っていつだってビシッとしてるからさ。
オレなんてさ、ヒラヒラした衣装を着る、ってなったときとか、
まだ恥ずかしくって顔に出ちゃうときがあるんだよな。」
135: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:31:56.09 ID:lT49CYaR0
「このみさん?」
「ふ、ふふ。ごめんなさいね。なんだか面白くって。」
136: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:36:05.78 ID:lT49CYaR0
このみが琴葉の方を向くと、そこで二人は目が合った。
琴葉は、また少しだけ驚いた様子で、このみをじっと見ていた。
「そうよね、琴葉ちゃん。」
137: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:44:48.05 ID:lT49CYaR0
自身の胸に手を当てながら、琴葉は昴の目を見て言う。
大切なものを抱えるように優しくて、それでいて真っ直ぐにそれを見つめる琴葉の横顔に、このみは目が離せず、惹きつけられるようだった。
「……琴葉がオレたちのことを思って注意してくれてるのは、分かってたつもりだったけど……。」
138: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:45:46.62 ID:lT49CYaR0
そんな琴葉を見て、昴は何かに気がついたようだった。
昴は、ずい、とそのまま一歩近づいて、何か言う訳でもなく琴葉の顔をすぐそこで見つめていた。
「す、昴ちゃん……?」
139: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:46:50.98 ID:lT49CYaR0
「……なんていうかさ、その……。ちょっと恥ずかしいけどさ。
琴葉はそうやって笑ってた方が、やっぱりかわいいよなー、って。」
「かっ、かわ……!」
140: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:48:56.35 ID:lT49CYaR0
「も、もう、昴ちゃん!」
琴葉はせめてもの抵抗として、もう知りません、と言った感じで、昴と逆の方向に顔を向けた。
そんな二人の様子を一歩離れた距離から暖かく見守っているこのみには、
141: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:50:21.59 ID:lT49CYaR0
このみはそんな琴葉を見て、彼女がハム蔵を捕まえた瞬間のことを思い出していた。
あのときふと見せた彼女のやわらかな笑顔は、
混じり気がなく、繊細で澄み切った彼女自身の心を映し出したかのようで、それはある種の美しささえあった。
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