141: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/02/09(日) 16:50:21.59 ID:lT49CYaR0
このみはそんな琴葉を見て、彼女がハム蔵を捕まえた瞬間のことを思い出していた。
あのときふと見せた彼女のやわらかな笑顔は、
混じり気がなく、繊細で澄み切った彼女自身の心を映し出したかのようで、それはある種の美しささえあった。
ときに「美しさ」はそれを見る者との間に壁をつくり、近寄り難くなっていく。
周囲にとって「自分たちとはかけ離れた存在だ」とされ、果てには偶像としてただの「人間」であることさえ剥奪される。
届くはずだった声も、きっと届かなくなってしまうだろう。
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