13:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 19:47:10.99 ID:D/gZfYJM0
プロデューサーはというと、そんな夕美ちゃんを心の底からありがたがっていた。
「ありがとう夕美……本当に助かる。俺の頭痛のタネを、こんなにも綺麗に…」
「冷蔵庫にあったPさんのビール、捨てといたからね」
「えっ!? 何で!?」
「ここは仕事するところでしょっ。飲みすぎは健康にも良くないっていうし」
「そ、そんなぁ……!」
膝から崩れ落ち、この世の終わりかってくらい涙目になるプロデューサー。
そこだけ切り取れば、映画のワンシーンにも使えそうなくらい、絶望的な表情だ。
「えへへっ、なんちゃって♪」
夕美ちゃんは、イタズラっぽくニコッと笑って、後ろに隠した手をサッと見せた。
「はいっ、ちゃんとお家に持って帰ってね。途中で飲んだりしたらダメだよっ」
「あぁ、ビール! ありがとう、美味しく飲むよ、ありがとう……」
にゃははー、これじゃどっちが監督者か分からないねー。
聞けば、夕美ちゃんは通っている大学でも色々とまとめ役を買って出ることが多いらしい。
実にしっかり者で、何にでも気配りができて、それでいて嫌味が無い。
絵に描いたように、品行方正の良い子だ。
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