9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:06:00.00 ID:HvshuUb/0
もしや私の頭は他人より数段デキが悪く、そのせいで動機の理解が追い付かないのだ!
なんて事も一瞬ばかり考えたが、これでも人並みの生活を送っている以上、
こんな馬鹿げた想像は速やかにゴミ箱へ入れるべきであろう。
10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:07:42.69 ID:HvshuUb/0
「美也」
「はい」
11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:09:02.09 ID:HvshuUb/0
「プロデューサーさん?」
私は即座に立ち上がった。
12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:10:05.02 ID:HvshuUb/0
だがしかし、まさにこれから行動を起こさんとする私と美也が扉の前に立った瞬間。
「ちょっとお兄ちゃん! 美也さんをドコに連れて行く気?」
13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:11:44.78 ID:HvshuUb/0
「まぁ待て桃子、どうやら誤解があるじゃないか」
などと私が言い訳しつつ辺りを見れば、一体これはどうした事か?
この場は既に主役など居なくてもそれぞれが盛り上がる無法の地へと変わっていた。
14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:12:53.10 ID:HvshuUb/0
「これは酷い」
思わず本音がこぼれ落ちた。
私はこの場を収めることを諦めると桃子に視線を戻し言った。
15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:14:37.60 ID:HvshuUb/0
そうして、美也が桃子の手を引く形で私達三人は廊下へ出た。
等間隔で並ぶ窓から見える外の景色は一面夜で塗りたくられ、
扉から漏れ聞こえる声以外には目立つ物音も存在しない。
16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:15:52.07 ID:HvshuUb/0
「じゃあ、二人ともここで待って」
辿り着いた和室には外より濃い闇が詰まっていた。心なしか空気も重たいように思う。
17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:17:22.03 ID:HvshuUb/0
「で? この部屋で何するって?」
桃子は部屋の中央までやって来た所で深呼吸し、
18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:19:06.84 ID:HvshuUb/0
ましてそのような流れにならずともだ、
肩をすくめ、溜息をつかれ、呆れた調子で
「はぁ? わけわかんないんだけど。帰る!」
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