15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:14:37.60 ID:HvshuUb/0
そうして、美也が桃子の手を引く形で私達三人は廊下へ出た。
等間隔で並ぶ窓から見える外の景色は一面夜で塗りたくられ、
扉から漏れ聞こえる声以外には目立つ物音も存在しない。
既にスタッフの大半も帰っている時間だ。
蛍光灯の冷たい輝きが足元のリノリウムを照らす。
歩くごとにカツコツと反響する足音の大きさに若干気分が引けるものの、
流石に三人もの人間がいればお化けもおいそれと現れまい。
……いや、まぁ、何であるか。オカルトの類など信じていないが念の為だ。
「和室なんかで何するんだろ……」
そんな心象は桃子も同じなのか、周囲を覆う静寂へ強がるようにポツリとこぼす。
が、私も美也もそれには応えず、ただ歩調だけを揃えて暫く廊下を進んで行き。
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