16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/04/27(土) 02:15:52.07 ID:HvshuUb/0
「じゃあ、二人ともここで待って」
辿り着いた和室には外より濃い闇が詰まっていた。心なしか空気も重たいように思う。
が! 勇敢な私は踏み込んだ先で手探りに明かりのスイッチを入れ。
「美也、桃子」
呼び掛けられた二人が手を繋いだまま和室へ入って来る。
この時、私は初めて自分が肩を強張らせていたことに気がついた。
……実に情けない話になるのだが、大人であってもお化けは怖い。
出来れば生きている間に関わり合いになどなりたくないと願うのが普通の人情で、
こんな私を臆病者と笑いたければ笑ってくれて構わないが、
今この時、諸君らの背後に何物もいないとはこの世の誰にも言えやまい――閑話休題。
53Res/34.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20