31: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:50:50.74 ID:8+PeY8Rzo
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レッスンは数日では足りない。 袖で待機している間、何度そう思ったか。
歌にはそこそこ自信があるものの、プロとして求められるレベルにはまだ遠いらしい。
最近の歌の振り付けは苦手だ。 自分には激しすぎる。
ビジュアルアピールとは? 何をすれば成功なのか?
往年の歌一色で育ってきた蓮実に対し、時にアイドルとしての課題は予想外の方向から突きつけられる。
ただ、トレーナーとプロデューサーが「今回のステージで」蓮実に求めている者はそこまでハードルの高いものではないらしい。
いったんは安堵したものの、不安は常に残る。
「営業」と呼ばれるものも、あれから何度か経験した。
やはりというか、どこへ行っても反応は大きく変わり映えしなかった。
“へ、へぇ〜……往年のアイドル風か、まあいいんじゃない?”
“……うん、今時、そういうのもアリっちゃアリだね”
気を遣って否定こそしないものの、その表情には苦し紛れの笑顔が貼り付いていた。
やはり、受けはそれほど良くはないのだろう。
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