30: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:49:30.04 ID:8+PeY8Rzo
話しながらふと、さっきの男の笑い声が頭に響き渡る。
思い出してもモヤモヤした気持ちしか残らないから、と無理矢理追い払った。
「私の憧れのアイドル像を、ようやく皆さんの前で表現できるチャンスだと思ってます。
数々のアイドルたちが通った階段を、ようやく私も登り始めたんだと思うと――これくらい、へっちゃらです」
「なら、しばらくは思うように動いてみな」
“思うように”というのが、めげずに今日のような自分なりのアピールを貫いていいということだとすれば、
「俺も長富のやりたいようにやらせてみたい」
「……頑張ります」
少なくともプロデューサーは私を信じてくれている。だったらたった一度の失敗などどうってことない。
自分自身に言い聞かせて、蓮実は次のレッスンの予定へと話題を移した。
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