32: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:51:52.58 ID:8+PeY8Rzo
だがこれしきでへこたれては居られない。
ようやくアイドルになれたのだから、今更後には引けない。
ようやく、ようやく本当のアイドルとして第一歩を踏み出せるのだ。
憧れの清純派アイドルとしての第一歩。
この初ステージ、必ず成功させて、夢への階段を――
「……緊張してるのか?」
声をかけられて我に返った。
「いえ、少し考え事を」
「そっか」
一つ前の出番をこなしている別のアイドルは、どうやらそこそこに人気を得ているのか、ワアーという歓声が裏手まで響いてくる。
「おっ、近いところギリギリまで行くもんだなぁ」
そのアイドルは観客とハイタッチを交わさん勢いで舞台から身を乗り出し、腕を伸ばして手を振っていた。
「……今のアイドルは、やっぱりああいう風に、ファンの皆さんと距離が近くないといけないんでしょうか?」
おそるおそる尋ねてみる。
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