37: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 03:58:06.89 ID:xnInN/pyO
曜「だから?」
ルビィちゃんが私の両肩をがしっと掴む
彼女の瑞々しくて柔かそうな唇へ目がいってしまう
38: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 03:58:59.63 ID:xnInN/pyO
ルビィ「だって曜さん、ずーーーっと千歌ちゃんしか視界に入れてなかったですし」
曜「そ、そう……かな?」
中学時代の私ならともかく、今は一応そんなつもりないけどなぁ
39: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 03:59:53.25 ID:xnInN/pyO
ルビィ「色々聞いてるんですよ。例えば善子ちゃんからは『曜ってば、バスの中でも口を開けば半分くらいは千歌の話なんだから』って」
曜「善子、ちゃん?」
そうなの?
40: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:00:47.62 ID:xnInN/pyO
曜「っていうか、そんなに私『千歌ちゃん千歌ちゃん』言ってる?」
ルビィ「お姉ちゃんの『ですわ』ぐらいには」
曜「『ぶっぶーですわ!』や千歌ちゃんの『奇跡だよ!』の比じゃないよね? そこまでくると」
41: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:01:49.62 ID:xnInN/pyO
ルビィちゃんと話しながら、私は千歌ちゃんへ意を決して告白した時のことを思い出していた
◆◆◆
それは閉校祭前日の晩、校門前でのことだった
42: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:02:42.73 ID:xnInN/pyO
曜「──好きです!」
言って、しまった
なんだか胸のしこりが取れたように呼吸が楽になる
43: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:03:40.99 ID:xnInN/pyO
千歌「ちょっ!? いや、で、でも……だけど、わたしは……」
彼女の顔が今まで見たことがないほど真っ赤に染まる
そしてモジモジと俯いて独りごちた
44: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:04:40.59 ID:xnInN/pyO
曜「じゃあ私達──」
千歌「だけど……ごめんなさい」
喜びの絶頂に舞い上がったのも束の間、一瞬で奈落の底へ叩き落とされた心持ちになる
45: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:05:32.25 ID:xnInN/pyO
千歌「曜ちゃんが嫌いって訳じゃないよ。っていうか『どうやったら嫌いになれるの?』って感じだし」
曜「あ、ううっ……」
振った側だというのに、千歌ちゃんは涙をぽろぽろこぼしながらも私を精一杯フォローしてくれる
46: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:06:24.59 ID:xnInN/pyO
千歌「決勝が終わったら。結果発表は翌日でしょ?」
曜「うん、そうだね」
千歌「夕方デートへ誘って、その時に告白する」
47: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 04:07:23.85 ID:xnInN/pyO
曜「あはは……そう、だよね」
わかっていた
千歌ちゃんはずっと、梨子ちゃんのことを一途に想っていたんだって
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