57: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:29:24.04 ID:3VKlP06qo
照れくさそうにほほ笑み返しながら、
「何してほしい?」
58: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:30:17.66 ID:3VKlP06qo
「来てくれた。それだけで十分だよ」
「私としては、看病に来たつもりだから、何か言ってくれないとむしろ困るんだけど」
そうなんだ。
59: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:31:34.97 ID:3VKlP06qo
「とりあえず、ご飯にしよっか」
と智子が言う。
60: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:34:02.67 ID:3VKlP06qo
やがて智子が戻ってきた。
智子は開口一番、
61: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:35:33.48 ID:3VKlP06qo
「はい。アーン」
過去を回想し、うわの空になりかけていた笑美莉を、智子が現実に引き戻す。
62: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:36:48.40 ID:3VKlP06qo
だけれども、わざわざ看病をしに来てくれたのに、恥ずかしいから、自分で食べられるから、とせっかくの好意を邪険にするのはどうなのか。
そんな風に思って、葛藤して、結局笑美莉は受け入れた。
63: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:40:31.62 ID:3VKlP06qo
最初は余裕を見せていた智子も、笑美莉の予想以上の狼狽《ろうばい》ぶりに思うところがあって、恥ずかしさを滲《にじ》ませてゆく。
羞恥《しゅうち》は伝染する。
64: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:41:51.89 ID:3VKlP06qo
笑美莉は、
「じゃあ私以外なら、誰にこういうことしてあげるの?」
65: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:44:34.36 ID:3VKlP06qo
苦しみは、自分の思い通りにはならない。
苦しみは、どこにでも転がっている。
66: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/12(金) 17:45:12.32 ID:3VKlP06qo
だから、笑美莉は思っている。
恋は、病に似ている、と。
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