99:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:25:33.23 ID:BBwPih0C0
乱怒攻流「はぁ? あんたそんな簡単に言うけどねぇ」
愛栗子「なんじゃ刀を担保に両替商に一時的に借り入れでもするのかの?」
乱怒攻流「ちょっ……! あたしの刀は貸さないわよ!?」
100:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:26:45.01 ID:BBwPih0C0
紺之介「はぁ、心配するな。そのようなことは元からする気もなければ、幼刀を差し出して幼刀を手にしたところでそれは問題を先延ばしにしたにすぎんだろう」
紺之介「それにこの俺が故意に万が一にでもお前らを一時手放すと思うか?」
愛栗子「ふふ、ありえぬの」
101:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:27:29.75 ID:BBwPih0C0
紺之介「算段ならある」
しかしながらこの男、世に生を受けてやってきたことと言えば剣術と刀弄り以外に何もなし。そうして効率よく稼ぐノウハウなぞあるはずもなく、彼の知る内で彼に出来る大金稼ぎの方法と言えば……
紺之介「護衛業だ」
102:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:28:46.95 ID:BBwPih0C0
まだ不安気な顔色が取れない乱怒攻流を見て紺之介は補足を付け加えた。
紺之介「ここは国の扉とも言われている。物を運ぶ者おれば貴族の姫君すら移動手段としてここを用いることが多い。それが災してか海賊供も群がるそうだ」
紺之介「ここを拠点にそんな客層を狙って雇ってもらう。俺の腕が足らんということはないだろう」
103:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:29:31.24 ID:BBwPih0C0
…………
紺之介「待たれよ、そこの姫君」
104:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:30:24.30 ID:BBwPih0C0
紺之介「俺は紺之介と申す。剣豪をやっている護衛業の者だ」
乱怒攻流(剣豪をやっているって剣豪が職業みたいになってるじゃない……)
紺之介の胡散臭さ漂う自己紹介に付き人早くも警戒心を強めるもそれでも臆することなく紺之介は話を通し続ける。
105:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:31:05.80 ID:BBwPih0C0
付き人「……結構だ。姫様の護衛役は私一人で間に合っている」
紺之介の船上護衛計画、あっさりと轟沈す。
乱怒攻流(これは駄目そうね)
106:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:32:22.72 ID:BBwPih0C0
華蓮「つきひと、もしかしたらこの方はとても頼れる方かもしれませんよ? ほら見てください。……紺之介さま? そこのお綺麗な方も貴方が護衛なさっているお方なんですか?」
華蓮が立ち止まって愛栗子に興味をしめした。見た目からして彼女らは年齢も近く、そして何より愛栗子の美が少女の目を引き寄せたのだ。
紺之介この機を逃す手は無し。早速先ほどまで扇子を仰いでいただけの愛栗子に話を合わせるよう仕向ける。
107:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:33:33.93 ID:BBwPih0C0
華蓮「まぁ! やはりそうでしたのね! ご無礼ですが何処の方か聞いても……?」
少女に月一と呼ばれた護衛の目は明らかにまだ彼らを疑っていたが、そんなのはお構いなしに彼らは小声で会話を交わす。
108:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:34:27.89 ID:BBwPih0C0
愛栗子「むぅ……いざ聞かれると迷うてしまうのう。何しろわらわの名は完成されておる故、よくよく考えてみれば今さら偽名なぞ名乗る気にもなれぬのじゃ」
乱怒攻流「なんでもいいから早くしなさいよっ!」
109:名無しNIPPER[saga]
2019/03/13(水) 18:35:34.09 ID:BBwPih0C0
愛栗子「わらわは愛栗子。鏡ノ国 -きょうのくに- の愛栗子じゃ」
華蓮「京の国! 西の都のお姫様でしたのね! どおりで……つきひと! やはりこの紺之介さまは確かな腕を保証された方のようです! 頼んでみてはどうでしょうか」
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