572:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:04:01.75 ID:h4Hvdco40
ひとまず頬の鈍痛が引き始めたところでそれはさておきとして紺之介、建物の影に潜む気配に声をかける。
紺之介「もういいぞ。ずっとそこに居たのだろう」
573:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:04:44.36 ID:h4Hvdco40
彼は俯いたまま今にも泣き出しそうな声をひりだす。
「しょーぶしろこんのすけぇ……フミおねーちゃんのかたきだ……」
紺之介「……いいだろう。来い」
574:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:05:14.98 ID:h4Hvdco40
「うわああああ!!!!」
童が全力疾走で正面から紺之介に突っかかる。しかし彼が突き出した渾身の拳骨も虚しく紺之介はそれを手のひら一つで受け止めた。
「このっ! このっ! はなせぇ!」
575:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:06:01.23 ID:h4Hvdco40
紺之介「分かるな。今のお前では絶対に俺に勝てはしない」
「そんなごど、やっでみなくちゃ……」
紺之介「いいや無理だ。だから……」
576:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:06:28.48 ID:h4Hvdco40
乱怒攻流「ねぇ、何であんなこと言ったのよ。あの子が児子炉みたいになっちゃったらどうすんのよ」
紺之介「問題ない。やつがそれだけ本気ならば正しい力のつけ方も、力の振るい方も、きっと茢楠が教えてくれるだろう。それにもしこの先本当にやつが俺のもとへ来たのならそのときは斬らない程度に相手をしてやるのみだ」
577:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:07:05.21 ID:h4Hvdco40
……………………
夜如月の平屋敷、季節は冬本番。
そんな中竹刀を素振りする恰幅のいい男が一人。
578:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:07:39.95 ID:h4Hvdco40
庄司「え……ら、乱怒攻流たん……!? どうしてここに……」
夢にまで見たと言わんばかりに瞳潤わせ興奮気味に近寄ってくる庄司に対し乱怒攻流冷めた態度で挨拶を済ませる。
乱怒攻流「別に、ただ旅が終わって露離魂町に帰る途中で立ち寄ったからちょっと見に来ただけの話よ」
579:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:08:44.85 ID:h4Hvdco40
庄司「ということは乱怒攻流たんはまだ紺之介殿と?」
乱怒攻流「そうよ」
庄司「なるほどそれは良かったといいますか、安心したといいますか……紺之介殿ほど刀を解る同志ならば乱怒攻流たんを安易に傷つけたりはしないと某確信しているので」
580:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:09:12.70 ID:h4Hvdco40
ところがどっこい実際目にしてみれば彼は自分といたときより活気溢れんばかりと見える。
それどころか自分がいまだ紺之介の所有物であることに納得さえしているではないか。
乱怒攻流不可思議を抱えつつ彼に問う。
581:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:10:18.82 ID:h4Hvdco40
乱怒攻流「とにかく……まあ、元気そうでよかったわ。それじゃあね」
庄司が息災であったことに安堵しつつも要らぬ世話をしたと思いながら乱怒攻流はまた塀へとひとっ跳びで上がる。
さてここを降りれば茶しばきの愛栗子らと合流するのみと彼女が考えているときだった。
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