566:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:00:04.74 ID:h4Hvdco40
…………………………
茢楠「そう、ですか」
567:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:01:01.00 ID:h4Hvdco40
紺之介「あいつを壊してしまったのは全て俺の弱さ故だ」
愛栗子「紺……」
茢楠「そんな、顔をお上げになってください。仏の教えを乞う者からすればフミもフミの子も本当はもう世を去っているというのが理というもの……それにですね、紺之介さん」
568:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:02:12.37 ID:h4Hvdco40
茢楠「……最近少しお兄さんお姉さんになった子たちが見ててくれてるんですよ。ちゃんと、育っているんです。ここには遺されているんですよ。フミが皆に与えた慈愛の教えが」
茢楠「そうして彼らがまたその意志を子に伝え、その子がまた孫に誰かを愛することの素晴らしさを教えてくれるでしょう。そうやってフミの生きた証はこれからも世に刻まれていくんです」
茢楠は紺之介の手を取り彼を立ち上がらせながら続けた。
569:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:02:42.34 ID:h4Hvdco40
茢楠の彼らを慰め導く姿はまさしく聖職者の鑑と紺之介は感応した。
刃踏がこの世に遺したものの一番は今自分の目の前にあると彼は悟るのであった。
紺之介「……すまない。感謝する」
570:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:03:08.23 ID:h4Hvdco40
茢楠「坊主冥利に尽きます……ですがまあ」
紺之介「ん?」
賞賛を受け茢楠はにこりと微笑んだ。
571:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:03:35.22 ID:h4Hvdco40
………………………
別室を後にしながら紺之介は茢楠に殴られた頬をさすっていた。
572:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:04:01.75 ID:h4Hvdco40
ひとまず頬の鈍痛が引き始めたところでそれはさておきとして紺之介、建物の影に潜む気配に声をかける。
紺之介「もういいぞ。ずっとそこに居たのだろう」
573:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:04:44.36 ID:h4Hvdco40
彼は俯いたまま今にも泣き出しそうな声をひりだす。
「しょーぶしろこんのすけぇ……フミおねーちゃんのかたきだ……」
紺之介「……いいだろう。来い」
574:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:05:14.98 ID:h4Hvdco40
「うわああああ!!!!」
童が全力疾走で正面から紺之介に突っかかる。しかし彼が突き出した渾身の拳骨も虚しく紺之介はそれを手のひら一つで受け止めた。
「このっ! このっ! はなせぇ!」
575:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:06:01.23 ID:h4Hvdco40
紺之介「分かるな。今のお前では絶対に俺に勝てはしない」
「そんなごど、やっでみなくちゃ……」
紺之介「いいや無理だ。だから……」
576:名無しNIPPER[saga]
2020/02/25(火) 02:06:28.48 ID:h4Hvdco40
乱怒攻流「ねぇ、何であんなこと言ったのよ。あの子が児子炉みたいになっちゃったらどうすんのよ」
紺之介「問題ない。やつがそれだけ本気ならば正しい力のつけ方も、力の振るい方も、きっと茢楠が教えてくれるだろう。それにもしこの先本当にやつが俺のもとへ来たのならそのときは斬らない程度に相手をしてやるのみだ」
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