27:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:14:29.61 ID:M4jexkrI0
「日菜ちゃん、あなたのやっていることは……無駄なことよ」
そんなこと考え出したところで、千聖ちゃんは言葉を吐き出す。「そうかもね」と短く応える。
28:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:15:00.32 ID:M4jexkrI0
「ごめんね。それは無理なんだ」
「っ、どうして……?」
29:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:15:31.74 ID:M4jexkrI0
今さらだよ。もう全部。もうおねーちゃんはいないんだ。認めたくないけど、きっとあたしのせいで、苦しんで、苦しんで、苦しんで苦しんで苦しみぬいて、空の向こうへいってしまったんだ。あたしがやるべきことなんてもう一つしかない。おねーちゃんになりきって、おねーちゃんの苦しみを味わって、おねーちゃんの気持ちを少しでも分かった振りをして、誰にも見つからない場所で消えることだけなんだ。
輪廻転生。生まれ変わり。因果応報。全部ザレゴトだけど、神様なんていないけれど、あの小説に書いてあったことがもしも起こるのなら、次に生まれ変わったおねーちゃんには幸せでいてもらいたいから、おねーちゃんを苦しめるあたしにあたしが止めを刺さないといけないんだ。
30:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:16:03.95 ID:M4jexkrI0
闇雲に千聖ちゃんから、あたしを追う影から逃げる。
三年過ごした見慣れた街が滲み、足早に通り過ぎていく。
31:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:16:46.86 ID:M4jexkrI0
◆
夢を見ていた。温かい夢だった。
32:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:17:13.39 ID:M4jexkrI0
―――――――――――――――
33:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:19:08.30 ID:M4jexkrI0
私はからっぽなのだと思います。
何をするにしても、自分の中には人に対する嫉妬だけが、それもとりわけ血を分けた肉親に対しての醜い気持ちだけしか入っていませんでした。負けたくなかった。勝ちたかった。ただそれだけでした。
34:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:19:34.81 ID:M4jexkrI0
ごめんなさい
35:名無しNIPPER[sage]
2019/01/16(水) 01:35:48.66 ID:KthCxvUg0
乙?
36:名無しNIPPER
2019/01/16(水) 12:01:54.47 ID:N4eJbZOv0
面白かった
またバンドリで何かかいて欲しい
37:名無しNIPPER[sage]
2019/01/16(水) 19:54:00.01 ID:BdAGV+nwO
もしかしてこんな前世があったかもしれないんやなって…
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