30:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/16(水) 01:16:03.95 ID:M4jexkrI0
闇雲に千聖ちゃんから、あたしを追う影から逃げる。
三年過ごした見慣れた街が滲み、足早に通り過ぎていく。
視界の隅に赤い光が映った。
クラクションの音が聞こえた。タイヤがアスファルトを擦る甲高い音も聞こえた。
迫りくる車が見えた。
もしもの話が頭に浮かんだ。
もしもの話。
もしもあたしも生まれ変われるのなら。
そうしたら、あたしはもう一度氷川日菜をやり直したかった。
今度は間違えないように。失敗も後悔もしないように。
おねーちゃんが……ただ幸せに笑っていられるように。
そう思いながら、あたしは瞳を閉じた。
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