「おはよう。捻挫少年。」
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4: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 16:22:26.15 ID:Av4Jk77s0

駅までは大学を抜けた方が早いため、毎日構内を歩いているが、
朝練と午後練が終わった後の時間帯は殆ど大学生はいない。
冬の寂しい構内で足を引きずっていると余計寒く、痛む気がする。



5: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:06:29.33 ID:Av4Jk77s0

「だれかいないかなぁ。」

自力で帰るのを諦めて誰か呼ぼうかとベンチに腰掛けて一休みする。
特に友達のあてもなく、途方に暮れてただ携帯をいじっている。
以下略 AAS



6: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:08:24.90 ID:Av4Jk77s0

しばらく携帯をいじっていると、ふと目線の端でちらちらと何かが揺れた。
目線を上げると、遠くの方で白い何かが揺れている。

よく見ると紺のコートを羽織り、ジーパン、ブーツを履いた女性が、
以下略 AAS



7: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:10:48.64 ID:Av4Jk77s0

ある程度近づいたところではっとし、携帯に目線を落とす。
少し見過ぎたかもしれない。
自分の中で妙な緊張感が漂い、さも全く見ていなかったと言うように、
携帯の画面をスライドする作業を繰り返す。
以下略 AAS



8: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:13:50.63 ID:Av4Jk77s0

しかし、祈りは全く実を結ばず、むしろ、仇を成したように、
最悪のタイミングで女性は派手にこけた。

僕の目の前で尻餅をついて、かばんの中身がこぼれ出る。
以下略 AAS



9: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:17:12.28 ID:Av4Jk77s0

「あの、大丈夫ですか?これ落ちましたけど…」
「あっ、はい!大丈夫です!ありがとうございます!」

慌てて荷物を拾って、一歩こちらに踏み出した瞬間、また滑ってこけそうになった。
以下略 AAS



10: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:21:38.83 ID:Av4Jk77s0

「ああ、はい。なんとか。」
なんともない風を装って、差し伸べられた手にも頼らず、
何とか自力で立ち上がろうとしていたが、雪と痛みで思うように立てない。
もたもたしていると、女性はすっと僕の左脇に入り
以下略 AAS



11: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/10(木) 23:23:42.81 ID:Av4Jk77s0

女性は何度も謝った後、耳を真っ赤にしながらニット帽を目深にかぶって
逃げるように駅方面へ歩いていった。
あの人またこけるんじゃねぇか、と心配しながら後ろ姿を見つめる。
無事転ぶこともなく姿が見えなくなるのを確認してから、
以下略 AAS



12: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/11(金) 11:01:09.44 ID:piIM8FBL0


「これどうしようかなぁ…」

大学図書館の前で、拾った携帯をふらふらさせながらつぶやく。
以下略 AAS



13: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/11(金) 11:02:01.42 ID:piIM8FBL0

捻挫した後、親と部活仲間の反対を受けたが、受験勉強を言い訳にして
強引に部活を辞めた。

顧問は止める素振りはみせたものの、勉強を始めたいことを伝えると
以下略 AAS



14: ◆PeRWG5nqdc[sage saga]
2019/01/11(金) 11:03:27.49 ID:piIM8FBL0

家の近所にある大学図書館はかなり昔に建てられたもので、
詳しくは分からないが西洋の建築様式である。

2階構造で、1階が軽食をとれるような休憩室とトイレが設置されており、
以下略 AAS



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